本山白雲

本山白雲について

本山白雲（もとやま はくうん）は、1871年に土佐国の宿毛村（現在の高知県宿毛市）で生まれた日本の彫刻家です。彼の本名は本山辰吉で、「白雲」という雅号で知られています。特に、坂本龍馬の巨大な銅像（総高約15メートル）が彼の代表作として有名です。彼は「土佐のミケランジェロ」とも称されるほど、その彫塑技術に優れた才能を発揮しました。

幼少期と教育

白雲は、土佐藩の家老に仕える家に生まれましたが、明治維新により生活は困窮しました。幼少期、近所の墓地で遊びながら、数多くの地蔵の表情を見て立体造形に興味を持ちます。美術の道を志しましたが、家計が厳しかったため、宿毛で代用教員として働くことになります。しかし、美術への情熱は抑えきれず、1888年に家出を決意し、大阪へ向かいます。

大阪では彫刻の師を探し続けますが成果は得られず、持ち金も減る中、母の知人を通じて旧領主の伊賀家を頼るように言われました。路銀が乏しかったため、徒歩で上京し、伊賀家を訪問。そこで高村光雲に師事し、彫刻の技術を学び始めました。

東京美術学校での活動

1890年、岩村通俊の支援を受け、東京美術学校の彫刻本科に入学。在学中、高村光雲の助手として多くの著名な作品に関わりました。1894年には前例の無いほどの技術点を得て卒業し、そのまま同校の講師として同校に残ります。やがて、西洋彫刻に興味を持つ中で、銅像制作に発展していきました。

主な作品と影響

1895年、白雲は「本邦古今偉人傑士」の銅像建立計画に呼ばれ、主任として作品を制作します。また、彼の多くの作品は数々のコンペティションで高く評価され、特に後藤象二郎像や品川弥二郎像などが有名です。彼の技術はその精巧さから芸術界での評価を高め、多くの銅像を全国に残しました。彼が手掛けた作品は40体以上にのぼり、その他にも約300体が存在します。

戦争とその後の余生

彼の作品のほとんどは、第二次世界大戦中の金属供出により撤去されました。1944年、彼は明治の元勲たちの石膏原型を自ら叩き割り、その後埋める決断をしました。1952年に世を去るまでの彼の活動は、日本の彫刻界において大きな足跡を残しました。

彼の作品と影響力

本山白雲の作品には、坂本龍馬像（1928年）や、板垣退助の像、東郷平八郎像など、多くの歴史的人物の有名な彫刻が含まれています。彼の技術と表現力は後の彫刻家たちに大きな影響を与え、彼の名は今なお高く評価されています。

彼の家庭や弟子たちにも影響を与え、次世代への芸術の継承がなされました。彼の遺した作品は現在も多くの人々に親しまれ、その銅像は歴史を語り続けています。

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