本島町笠島

本島町笠島：瀬戸内海の歴史と文化が息づく港町

本島町笠島（ほんじまちょうかさしま）は、香川県丸亀市に属し、瀬戸内海に浮かぶ塩飽（しわく）諸島の主要な島、本島に位置する風光明媚な地区です。かつて塩飽水軍の拠点、江戸時代には水運の要衝として繁栄し、その歴史的な町並みは「丸亀市塩飽本島町笠島」として、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

歴史

笠島は、戦国時代には塩飽水軍の本拠地としてその名を馳せました。江戸時代に入ると、廻船問屋を中心に町が発展し、瀬戸内海の物流を支える重要な役割を果たしました。しかし、同業者の増加により次第に衰退し、18世紀初頭には幕府の命により廻船問屋と船舶を大阪の業者に譲渡することになります。

その後、笠島の住民は、培ってきた船舶建造の技術を生かし、「塩飽大工」として家を建てる大工として日本各地で活躍しました。塩飽大工たちは、年に数回笠島に戻り、自らの家屋を手入れすることで、江戸時代の町並みをほぼ完全な形で保存することに貢献しました。

景観

1985年（昭和60年）には、その歴史的価値が認められ、重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。以来、家屋の修復や保全が進められています。町並みは、廻船問屋などの豪商の屋敷や町屋が立ち並び、当時の繁栄を偲ばせます。また、小さな町ながらも、道を鉤型にするなど、防衛的な工夫も凝らされています。

現在、3軒の屋敷が一般公開されており、当時の生活や文化に触れることができます。また、「本島笠島集落家並」は、昭和61年度に手づくり郷土賞（人と風土が育てた家並）を受賞しています。

名所・旧跡

塩飽本島町笠島伝統的建造物群保存地区: 江戸時代の面影を残す美しい町並み。
まち並保存センター（真木邸）: 町並みに関する資料を展示。
ふれあいの館（小栗邸）: 休憩や交流の場として利用可能。
文書館（藤井邸）: 歴史的な文書を保管・展示。
専称寺: 年寄吉田彦右衛門の墓があり、国の史跡「塩飽勤番所跡」の附指定を受けています。
笠島城跡: 香川県指定史跡。
長徳寺: 市指定文化財である木造阿弥陀如来坐像などを所蔵。
尾上神社: 地域の氏神。
笠島港: 本島への玄関口。

アクセス

JR丸亀駅から徒歩5分の丸亀港からフェリーで35分、本島（泊港）から徒歩25分。
* JR児島駅から徒歩3分の児島港から旅客船で30分、本島（泊港）から徒歩25分。

笠島は、歴史的な建造物や美しい自然景観が調和した、魅力あふれる観光地です。瀬戸内海の島旅の際には、ぜひ足を運んでみてください。

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