本当は怖い愛とロマンス

桑田佳祐 シングル「本当は怖い愛とロマンス」詳細解説

2010年8月25日、桑田佳祐の13枚目のシングル「本当は怖い愛とロマンス」がリリースされました。タイシタレーベル/SPEEDSTAR RECORDSより12cmCDと12インチレコードで発売され、その後2016年にはダウンロード配信、2019年にはストリーミング配信も開始されています。前作「君にサヨナラを」から約8ヶ月半ぶりのリリースで、ボーナストラックとして2010年3月13日に行われた日本武道館ライブの音源を収録している点が特徴です。

リリースの背景と活動休止

このシングルは、同年6月23日に発表されたニューアルバム『MUSICMAN』と全国ツアーと合わせて発表されました。実質的にはアルバムの先行シングルという位置付けでしたが、桑田佳祐の食道がん発覚と活動休止によって、アルバムの発売が2011年2月23日に延期されることになります。シングルの発売自体は予定通り行われましたが、ミュージックビデオの制作には影響が出ました。幸いにも桑田佳祐は発売直前に治療を終え、退院しています。初回限定盤には「LOVEバッジ」と「ROMANCEバッジ」という特製缶バッジが特典として封入されていました。

チャート成績とプロモーション

オリコン週間ランキングでは初週11万枚を売り上げ、2位を獲得。自身にとって「明日晴れるかな」以来3年ぶりの初週10万枚突破となりました。初週、累計売上ともに前作を上回る好成績を収めています。オリコンチャートへの登場週数は14週に及びました。テレビでの披露は、第61回NHK紅白歌合戦での特別出演が初となりました。活動休止発表直後であったため、発売直後のメディアでの歌唱は行われず、紅白でのパフォーマンスが大きな話題となりました。

収録曲詳細

シングルには計7曲が収録されており、総収録時間は36分21秒です。

1. 本当は怖い愛とロマンス (3:34)

突然恋人から捨てられた男性の驚きを描いた歌詞と、ポップでメロディアスな曲調が特徴です。歌詞にはハナ肇とクレイジーキャッツの「ハイそれまでョ」が登場するなど、遊び心も満載。桑田佳祐自身はビートルズやウイングス、特に「レディ・マドンナ」を意識したサウンドだと語っています。楽曲の原型は2007年頃にサビの部分が完成しており、仮タイトルは「ビーチ・ボーイズ」でした。ミュージックビデオの撮影はロンドンの予定でしたが、桑田佳祐のがん発覚により、発売直後はジャケット写真を使った短縮版が使用され、アルバム発売後に改めて新たなバージョンが制作されました。MVには仲里依紗が出演しています。アルバムバージョンではサビの「She's gone」の部分にファルセットが加えられています。

2. EARLY IN THE MORNING (5:03)

フジテレビ系情報番組『めざましテレビ』2010年度のテーマソング、および大塚製薬「UL・OS」CMソングとして使用されました。朝の情報番組のテーマソングとしては異例な、セクシーな歌詞と清水美恵のあえぎ声をサンプリングしたサウンドが話題を呼びました。桑田佳祐は、番組の出演者やスタッフが自身の冗談を理解してくれると確信して、このような内容にしたと語っています。この曲に合わせてEBATOが振り付けを担当した体操エクササイズも作成され、番組内で放送されたり、イベントが開催されたりしました。仮タイトルは「化学姉妹」でした。アルバム『MUSICMAN』収録時には「EARLY IN THE MORNING 〜旅立ちの朝〜」というサブタイトルが付き、音のバランスが一部変更されています。

3. 今でも君を愛してる (Live Recorded at 日本武道館 2010.3.13) (3:35)

4. しゃアない節 (Live Recorded at 日本武道館 2010.3.13) (4:12)

5. 東京 (Live Recorded at 日本武道館 2010.3.13) (6:17)

6. 誰かの風の跡 (Live Recorded at 日本武道館 2010.3.13) (3:49)

7. ダーリン (Live Recorded at 日本武道館 2010.3.13) (4:43)

8. ROCK AND ROLL HERO (Live Recorded at 日本武道館 2010.3.13) (5:08)

3～8は、日本武道館でのライブ音源です。

参加ミュージシャン

各楽曲に多くのミュージシャンが参加しています。詳細な参加ミュージシャンについては、公式サイト等をご確認ください。

収録アルバム、ミュージックビデオ、ライブ映像作品

このシングルに収録されている楽曲は、アルバム『MUSICMAN』にも収録されています。また、ミュージックビデオやライブ映像作品にも収録されています。詳細は、桑田佳祐の公式サイト等をご確認ください。

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