本明川ダム

本明川ダムの概要

本明川ダム（ほんみょうがわダム）は、国土交通省九州地方整備局が長崎県諫早市において建設を進めているダムです。このダムは一級水系の本明川水系に位置し、地域の水害および渇水問題を解決するために設立されています。

本明川の課題

本明川は、河川全体の長さが比較的短く、山から流れ出た水が諫早市街を通り、有明海へ直流します。このため、大雨時には一気に多くの水が流れ込み、水害を引き起こすことがありました。特に、昭和32年に発生した諫早大水害では630人もの犠牲者が出るなど、地域に大きな影響を及ぼしました。また、反対に干ばつの際には流量が不足し、農業用水が不足する事態が起こりました。特に、平成6年の渇水や平成11年の大洪水など、これらの問題は地域の生活に深刻な影響を与えてきました。このような背景から、洪水の調節と渇水時の農業用水の確保を目指すダムの建設が急務となりました。

ダムの計画と変更

平成12年には、本明川水系の河川整備基本計画が策定され、ダムの建設計画が正式に発表されました。最初の計画では中央コア型ロックフィルダムとされていましたが、後に建設コストを抑える目的で台形CSGダムの形式に変更されることとなりました。この変更は、工事の効率や予算の観点から重要な判断でした。

ダムの諸元

本明川ダムの具体的な諸元は以下の通りです。

• - 形式：台形CSGダム
• - 堤高：約60.0 m
• - 堤頂長：約340 m
• - 堤体積：約620,000 m³
• - 集水面積：8.91 km²
• - 湛水面積：約39 ha
• - 総貯水容量：約6,200,000 m³
• - 天端高：151.5 m
• - 総事業費：約730億円
• - 完成予定年度：2032年度

このダムは、地域の水資源を安定的に管理するために重要な役割を果たすことが期待されています。

ダム建設の経緯

ダムの建設に至るまでの経緯は以下の通りです。
1. 1957年7月 - 諫早大水害で630人が犠牲になる。
2. 1983年4月 - 本明川ダムの予備調査が開始される。
3. 1994年4月 - 本明川ダム建設事業に着手。
4. 2017年2月 - 損失補償基準協定書の調印が行われる。

これらの過程を経て、地域の治水対策として重要な本明川ダムの建設が進められています。ダム完成後は、洪水調節や渇水対策により、地域住民の安全で安心な生活に寄与することが期待されています。

参考情報

外部リンク

• - 本明川ダム - 九州地方整備局
• - 本明川ダム - ダム便覧（日本ダム協会）

以上が本明川ダムに関する詳細な情報です。このダムが地域の水問題解決にどのように寄与していくのか、完成を待たれるところです。

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