本村凌二

本村凌二（もとむら りょうじ）

本村凌二は1947年5月1日、熊本県に生まれた日本の歴史学者で、古代ローマの社会史を専門としている。彼は東京大学の名誉教授であり、その研究と教育に多大な貢献をした。1973年、一橋大学社会学部を卒業後、1980年に東京大学大学院人文科学研究科の博士課程を満期退学。弓削達（ローマ史）と山田欣吾（ドイツ史）から指導を受けた。

1984年から東京大学教養学部の助教授、1994年には同大学の教授に昇進し、1996年からは東京大学大学院総合文化研究科の教授として活躍した。2012年に定年退職し、その後名誉教授の称号を受け、2014年には早稲田大学国際学術院で特任教授としても教鞭を執った。彼は2018年に早稲田大学を定年退職し、その後は文筆活動に専念している。

研究・業績

本村は雑誌『KODAI』の編集長として、日本の古代西洋史研究を国際的に紹介する役割を果たした。また、日本西洋古典学会や地中海学会においても活動し、その中で元会長の職も務めた。彼の著作はいくつかの賞を受賞し、特に1994年に受賞したサントリー学芸賞や、2001年に受賞したJRA賞馬事文化賞は彼の研究の重要性を示している。

専門性と受賞歴

本村の研究活動は、古代ローマの社会や文化、特にその日常生活に関する洞察を含んでいる。彼の著作には『薄闇のローマ世界――嬰児遺棄と奴隷制』や『古代ポンペイの日常生活』があり、古代ローマの人々の生活や価値観を明らかにした。また、『馬の世界史』では古代から現代にかけての馬の役割とその影響についても深く掘り下げた。

彼は日本の競馬に関する著書も執筆しており、本村雅人の筆名でも知られている。特に石原裕次郎のファンである彼は、2017年に関連書籍を出版し、その情熱を示した。

教育と影響

本村の教育活動における貢献は広範囲にわたる。高校や大学の講座だけでなく、テレビ番組やラジオでの出演も通じて、より多くの人に歴史の魅力を伝えている。特に古代ローマに関する彼の知識は、視聴者やラジオのリスナーに深い理解をもたらしている。

主な著作

本村は多くの著作を持ち、その内容は古代ローマだけに限らず、より広い世界史に関連している。主な著書には以下のものがある。

• - 『ローマ人の愛と性』
• - 『多神教と一神教』
• - 『帝国を魅せる剣闘士――血と汗のローマ社会史』

これらの作品を通じて、彼の歴史観や研究成果が明確に示されている。

応用研究と監修活動

本村はまた、教育教材の監修や、歴史講座の監修も手がけており、その活動の幅は広い。特に高校世界史の教材に関しては、多くの訳書や監修を行いながら、日本の歴史教育に貢献している。

最後に

本村凌二は、長い間日本の歴史学界で活躍してきた学者であり、その影響は今も続いている。彼の研究は、古代ローマについての理解を深めるだけでなく、歴史を学ぶ上での新たな視点を提供している。

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