本瀧寺

本瀧寺：歴史と信仰、そしてバイクの聖地

大阪府豊能郡能勢町、能勢妙見山の山腹に位置する本瀧寺は、妙見宗の総本山として知られる天台系修験道の寺院です。1921年、天台修験道の僧侶、野間日照上人によって建立されました。当初は奈良の薫香院の名義を移転する形で創建され、1926年に本瀧寺と改称、1946年には天台宗から独立し、妙見宗を創立、総本山となりました。

古くからの霊場と新たな魅力

本瀧寺の起源は古く、奈良時代に、行基によって開かれたとされる「行儀の滝」（現在の能勢の本瀧）に遡ります。この滝は、為楽山の水行場として利用され、古くから修験道の霊場として崇められてきました。野間日照上人は、かつて能勢妙見堂のお堂の一つであった常富堂を改修し、本瀧寺の基礎を築きました。

境内には、江戸時代以前から妙見瀧、妙見山瀧と呼ばれていた能勢の本瀧があり、石の大鳥居と青銅の竜の口から湧き水が流れ落ちる壮観な光景が広がります。滝壺には、1842年に丹波の日の出講の発願で法華経の一字一石が埋められています。滝周辺や山頂への参道には多くの石仏が祀られ、古くからの信仰の深さを物語っています。

天理教教祖の中山みき、本門仏立宗開祖の長松清風、将棋棋士の坂田三吉なども、この地で修行したという伝承が残されています。本尊は釈迦如来、脇本尊として妙見大菩薩と常富大菩薩が祀られています。

バイク愛好家が集う「バイク寺」

近年、本瀧寺は、副住職兄弟がハーレーダビッドソンの愛好家であることから、バイク愛好家たちの間で「バイク寺」として知られるようになりました。バイク雑誌などを通じてその名が広く知れ渡り、多くのライダーが参拝やバイク祈祷に訪れるようになりました。

本瀧寺では、バイク愛好家向けに「バイク寺」ステッカーを配布したり、守護鈴（ガーディアンベル）を頒布するなど、ライダーへの配慮が行き届いています。週末や月曜日には、境内の眺望の良い場所でカフェが営業し、ライダーや参拝者の休憩場所として利用されています。

まとめ：歴史と現代が融合する聖地

本瀧寺は、古くからの修験道の霊場としての歴史と、現代のバイク文化が融合したユニークな寺院です。静寂な山腹に佇む古刹でありながら、活気に満ちた現代的な側面も持ち合わせています。歴史と自然、そして人々の信仰と交流が交錯する、魅力あふれる場所と言えるでしょう。その歴史と現代の融合が、多くの人の心を惹きつけ続けています。これからも、本瀧寺は、歴史と信仰、そして人々の交流の場として、その存在感を示し続けることでしょう。

もう一度検索