本瓦造船

本瓦造船株式会社について

本瓦造船株式会社は、日本の造船業界において独自の地位を確立している中小規模の造船メーカーです。本社と工場は、風光明媚な福山市鞆町に位置しており、内航船を専門に建造しています。日本中小型造船工業会の会員である本社は、G/T749型からG/T199型に及ぶ特殊タンク船やケミカルタンカーをはじめ、曳船やフェリーといった小型船舶も建造できる数少ない造船所です。

建造実績と強み

本瓦造船は、これまでに60年以上にわたり500隻以上の船舶を建造してきました。また、官公庁や地方公共団体、全国の海運会社への納入実績があり、その信頼性は確固たるものです。修繕部門でも毎年約100隻の修理を行い、造船業界の幅広いニーズに応えています。

精密な技術を駆使した新造船

特に注目すべきは、2009年に建造した電気推進船「豊和丸」の存在です。この船はSES（スーパーエコシップ）1番船として、環境に配慮した取り組みに貢献しています。また、2010年には内航セメントタンカー「清洋丸」が「マリンエンジニアリング・オブ・ザ・イヤー 2009」を受賞し、船舶の新技術採用による優れたパフォーマンスが評価されました。

新しい取り組みとして、2016年には曳船「梅丸」が「シップ・オブ・ザ・イヤー2016」を受賞し、その成果は更なる技術革新へのモチベーションとなっています。特に注目されるのは、小型船舶のフェリー調査研究における日本小型船舶検査機構との共同研究や、静穏化技術の導入です。積水化学が開発したカルムーンシートを用いることで、船舶の振動を効果的に抑える取り組みも行っています。

沿革と現状

本瓦造船の歴史は1949年に始まり、その設立当初は木造船業を行っていましたが、1964年に小型鋼船の建造を開始し、1972年には法人化されました。以降、同社は工場の拡張を行いながら成長を続けてきました。特に2000年代以降は、工場、船台の拡張やISO9001認証の取得など、品質向上に向けた努力を重ねています。

最新の工場施設では、複数の船台と修繕用浮ドックが設置されており、最新の設備を用いて高品質な船舶を建造しています。2023年には、入渠可能重量が2,000トンの修繕用浮ドックが新設され、さらなる生産能力向上が図られました。

結論

本瓦造船株式会社は、その卓越した技術力と豊富な経験に基づき、さまざまな種類の船舶を手掛ける独立系造船メーカーとして、これからも日本の造船業界において重要な役割を果たし続けることでしょう。

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