本町 (台北市)

本町（ほんまち）

本町は、日本統治時代の台湾、台北州台北市に存在した町丁です。現在の台北市中正区の北西角にあたる地域に位置していました。本町一丁目から本町四丁目までで構成され、1935年時点では2,280人の人口と409世帯がありました。

地理

本町は、台北市の中心部、表町の西側に位置していました。現在の台北市中正区の北西部に相当し、その範囲は、北側が忠孝西路一段を東端とし、台北郵便局の東側を西端とする線、西側が重慶南路一段を北端とし、開封街一段、開封街一段60号、漢口街一段、華南銀行、衡陽路に至る線、南側が衡陽路、そして東側が懐寧街を境界としていました。

町内を南北に貫く重慶南路一段は、当時は「本町通」と呼ばれ、重要な通りでした。この地域は日本統治時代に商業地区として発展し、三和銀行、専売局台北支局、日本石油などの大企業や重要な施設が集中していました。

歴史

1922年4月1日の町名改正により、本町一丁目から本町四丁目が誕生しました。その後、1937年10月1日には、西部標準時が廃止され、日本標準時が採用されました。1945年10月25日には、日本が中華民国に降伏し、台湾が中華民国に接収されたことで、日本の町丁としての本町は事実上廃止されました。

1946年には、台湾省の各県市における街路名称改正が行われ、本町は府前段と改称され、その歴史に幕を閉じました。同年2月8日には、台北市が城中区を設置し、本町は府北里と府南里（現在の黎明里）に再編成されました。

本町の変遷をまとめると以下のようになります。

1922年4月1日：町名改正により本町一丁目～四丁目が誕生。
1945年10月25日：日本統治終了により、日本の町丁として事実上廃止。
1946年：府前段と改称され、本町が廃止。

施設

本町には、以下のような公共施設や企業が存在していました。

公共施設

専売局台北支局（本町三丁目1）：二二八事件の契機となった場所として知られています。

企業

台湾貯蓄銀行（本町一丁目43）
三和銀行台北支店（本町二丁目55）
島津製作所台北出張所（本町三丁目1）
日本石油台北販売所（本町四丁目5）

脚注

この地域は、当時の台北における経済の中心地であり、多くの人々が行き交う場所でした。本町の歴史は、台湾の近代史を語る上で重要な一部となっています。

関連項目

* 本町 (曖昧さ回避)

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