本荘玲子

本荘玲子：ピアノとオンド・マルトノの Pioneer

本荘玲子（1936年生まれ）は、日本の音楽界において、ピアノとオンド・マルトノの両方で傑出した足跡を残した音楽家です。

若き日の研鑽と受賞歴

幼少期から音楽に親しみ、子供のための音楽教室で才能を育みました。桐朋学園短期大学音楽科を首席で卒業後、ウィーン国立音楽大学、ライプツィヒ音楽院へと留学し、更なる研鑽を積みました。寺西昭子、J・ディヒラー、J・フィッシャー、伊達純、中村紘子といった名だたる指導者に師事し、ピアノの腕を磨きました。その才能は早くから開花し、第24回日本音楽コンクール第3位、第25回日本音楽コンクール入選、第5回文化放送音楽賞、第6回福山ピアノ賞など、数々の賞を受賞しています。

NHK交響楽団での活躍と初演

NHK交響楽団のピアニストとして長年活躍し、日本の音楽シーンに大きな貢献を果たしました。特に、邦人作曲家の作品の初演に力を注ぎ、三善晃の《管弦楽のための協奏曲》、武満徹の《テクスチュアズ》などの重要な作品を世に送り出しました。また、現代音楽の紹介にも熱心で、オリヴィエ・メシアンの《トゥーランガリラ交響曲》のオンド・マルトノパートを日本で初めて演奏するなど、革新的な試みにも積極的に取り組みました。ソリストとしても、三善晃の《ピアノ協奏曲》の初演を手がけるなど、その才能を遺憾なく発揮しました。

伴奏者としての才能

本荘玲子は、ソロ活動だけでなく、伴奏者としても高い評価を得ています。ホルン奏者ヘルマン・バウマンのCD『ホルン吹きの休日』や、トランペット奏者関山幸弘のCD『Favorites』のレコーディングに参加し、その卓越した音楽性で作品に深みを与えました。夫であり、NHK交響楽団のホルン奏者であった千葉馨との共演録音は、千葉の追悼アルバム『千葉馨、永久に』に収録されており、夫婦の絆と音楽への情熱を感じさせます。その他、佐藤眞の『蔵王』・『日本合唱曲全集 土の歌』や、『富士見二丁目交響楽団シリーズ 雨の歌をきみに』など、様々なCDに演奏参加しています。

日本におけるオンド・マルトノ演奏の先駆者

本荘玲子は、日本におけるオンド・マルトノ演奏の先駆者としても知られています。オンド・マルトノは、電子楽器の一種であり、その独特な音色と表現力で現代音楽の分野で注目されています。本荘玲子は、この楽器の可能性を日本に紹介し、多くの作曲家や演奏家に影響を与えました。

本荘玲子の音楽への情熱と卓越した才能は、日本の音楽史に深く刻まれています。彼女の功績は、後進の音楽家たちに多大な影響を与え、日本の音楽文化の発展に大きく貢献しています。

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