本蓮寺 (宮崎県新富町)

本蓮寺（宮崎県新富町）

本蓮寺は、宮崎県児湯郡新富町新田に所在する日蓮正宗の寺院です。図子山（ずしさん）という山号を持ちます。

歴史

本蓮寺は、長享2年（1488年）以前に、妙本寺（千葉県鋸南町）の11世である日要によって開山されました。日要は学頭坊日朝を寺主とし、寺を創設しました。当初、寺は現在の本蓮寺の裏山を少し登った場所に位置していたとされ、その名残として「うさぎ道」と呼ばれる参道跡が残っています。永正11年（1514年）に日要が亡くなると、妙本寺で供養されましたが、本蓮寺を号としていました。境内には、永正15年（1518年）に日要のために建立された板碑があったと伝えられています。また、日我の叔父である惣光坊日円も、この本蓮寺を中心に活動しました。

江戸時代には妙本寺の末寺でしたが、明治時代の廃仏毀釈によって明治3年（1870年）に廃寺となり、多くの史料が失われたと考えられています。明治18年（1885年）に復寺が願い出られましたが許可されず、その後、大正4年（1915年）以降は日蓮宗新田教会として存続し、昭和20年（1945年）に寺院としての設立が許可されました。一方、安房妙本寺に所蔵されている「山本坊過去帳」によると、薬丸義承によって明治22年（1889年）までに再建されていたとする説もあります。

本蓮寺の所在地は旧道に面しており、一ツ瀬川を望むことができる場所であるため、交通の要衝に建立された寺院であると考えられています。

昭和60年（1985年）には、創建五百年を記念した新築落慶法要が執り行われ、その際に阿部日顕手植えの槇が植えられました。現在、古物としては天保4年（1833年）の銘が刻まれた石塔が1基残されています。他にも石塔の存在が報告されていますが、地中に埋まっているとされています。

昭和32年（1957年）8月30日には、日向定善寺において本末7ケ寺（定善寺、本善寺、妙国寺、本建寺、本照寺、本蓮寺、法蔵寺）の帰一奉告法要が執行されました。その後、昭和52年（1977年）12月4日に改築されています。

交通アクセス

• - 日豊本線日向新富駅から車で20分
• - 東九州自動車道西都インターチェンジから車で5分

参考文献

• - 『宮崎県の地名 日本歴史地名大系46』 平凡社、1997年11月12日、ISBN 4582490468。

関連項目

• - 日蓮正宗寺院一覧

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