一ツ瀬川

一ツ瀬川

一ツ瀬川は、宮崎県の中央部を流れる、延長約100kmの二級河川です。その源を九州山地の尾崎山（標高1438m）に発し、椎葉村の山岳地帯を南下した後、西米良村で板谷川と合流し、南東へと流路を変えます。その後、小川川や銀鏡川などの支流を集め、一ツ瀬ダム（西都市）へと注ぎ込みます。

地理

一ツ瀬川は、上流から下流へと変化に富んだ景観を持つのが特徴です。

上流域: 九州中央山地国定公園に指定されており、深い山々に囲まれた秘境の趣です。西米良村には、平家の落人が隠れ住んだという伝説が残る「米良荘」があり、歴史と自然が織りなす独特の雰囲気を醸し出しています。
中流域: 一ツ瀬ダムや杉安ダムといったダムが建設され、河川の流れが調整されています。杉安ダムから下流は杉安峡と呼ばれる渓谷となり、美しい景観が広がります。
下流域: 平野部に入り、西都市東部や新富町南部を流れ、本水系最大の支流である三財川と合流し、日向灘へと注ぎます。河口部には富田浜入江が海岸線に沿って大きく北へ入り込んでいます。また、台地部には西都原古墳群をはじめとする多くの古墳群が点在し、古代の文化を感じることができます。

流域の自治体

一ツ瀬川は、以下の自治体を流れています。

宮崎県
東臼杵郡椎葉村
児湯郡西米良村
西都市
宮崎市
児湯郡新富町

支流

一ツ瀬川には、多数の支流が流れ込んでいます。

板谷川
小川川
銀鏡川
三財川

ダム

一ツ瀬川には、以下のダムが建設されています。

一ツ瀬ダム（九州電力）
杉安ダム（九州電力）

橋梁

一ツ瀬川には、多くの橋が架かっています。その中でも特に特徴的なものを以下に示します。

児湯郡西米良村
村所橋（国道219号）
かりこぼうず大橋：日本最長の木造車道橋（140m）
横野大橋（国道219号）
米良稲荷橋（国道219号）
越野尾橋（国道219号）
西都市
米良大橋（国道219号）
糸郷谷橋（国道219号）
杉安橋（国道219号）
穂北橋（宮崎県道22号東郷西都線）
千畑潜水橋
下水流大橋
千田潜水橋
山角橋（宮崎県道24号高鍋高岡線）
新瀬口橋（宮崎県道18号荒武新富線）
一ツ瀬川橋（東九州自動車道）
児湯郡新富町
柳瀬大橋
柳瀬潜水橋
一ツ瀬橋（宮崎県道44号宮崎高鍋線）
日向大橋（国道10号）：3本の橋から構成される。旧橋は日本初のローゼ橋。
一ツ瀬川鉄道橋（日豊本線）
大渕橋：かつて存在した木造橋。現在は橋脚のみ残る。
宮崎市佐土原町
福島潜水橋
福島橋：かつて存在した木造橋。現在は橋脚のみ残る。

並行する交通

一ツ瀬川沿いには、以下の交通機関が並行しています。

鉄道
国鉄妻線：西都市杉安以東（1984年全線廃止）
道路
国道219号：西米良村村所以東（通称 米良街道）
国道265号：西米良村村所以北
国道388号：椎葉村本郷下以東

流域の観光地

一ツ瀬川流域には、以下のような観光地があります。

西米良村：米良荘、かりこぼうず大橋など
西都市：一ツ瀬ダム、西都原古墳群など
新富町：富田浜入江など

その他の情報

河口域の日向大橋下河川敷では、毎年8月下旬に花火大会「サマーフェスティバル in 一ツ瀬」が開催されます。

参考資料

一ツ瀬川物語 - 宮崎県 県土整備部
* 2級河川の河川整備基本方針・河川整備計画（一ツ瀬川水系） - 宮崎県

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