本郷村 (福岡県三井郡)

本郷村（ほんごうむら）は、かつて福岡県の中央部に位置する三井郡に存在した村です。現在の三井郡大刀洗町の一部にあたり、その歴史は明治時代にさかのぼります。

地理

本郷村は、筑後川の支流である小石原川の下流域に位置していました。この地域は比較的平坦な地形であり、農業に適した土地が広がっていました。村内には陣屋川という河川も流れており、水資源にも恵まれた場所でした。

歴史

本郷村の歴史は、1889年（明治22年）4月1日に、町村制の施行によって新たな一歩を踏み出しました。当時の御原郡に属していた本郷町、栄田村、甲条村、春日村が合併し、村制を施行して本郷村が誕生しました。その後、1896年（明治29年）4月1日には、所属が三井郡に変更されました。

本郷村の歴史の中で特筆すべき出来事としては、1955年（昭和30年）3月31日に、三井郡の大刀洗村、大堰村との合併が挙げられます。この合併により、新たに町制を施行した大刀洗町が誕生し、本郷村はその歴史に幕を閉じました。

地名の由来

本郷村という地名の由来は、平安時代中期頃に、この地に御原郡の郡衙が所在したことに起因します。この地域が郡内で最初に開けた場所であったことから、「本郷」という名前が付けられたとされています。この地名が示すように、本郷村は歴史的に重要な役割を担っていた地域でした。

日本陸軍施設

本郷村の区域内には、大刀洗陸軍飛行場がありました。この飛行場は1919年（大正8年）に完成し、太平洋戦争中には重要な軍事拠点となりました。現在では、その跡地は平和公園や工業団地として利用されています。

交通

本郷村には、鉄道も敷設されていました。1921年（大正10年）には、三井電気軌道によって久留米 - 甘木間が開通し、村の交通の便が向上しました。この鉄道は、地域の発展に大きく貢献しました。

まとめ

本郷村は、短いながらもその歴史の中で、地域の中心として、また軍事拠点としても重要な役割を担ってきました。その名前は、地域の歴史と文化を今に伝える証となっています。

参考文献

角川日本地名大辞典 40 福岡県
『市町村名変遷辞典』東京堂出版、1990年。

関連項目

* 福岡県の廃止市町村一覧

もう一度検索