本間篤史 (野球)

本間 篤史（ほんま あつし）氏は、1988年8月3日に北海道余市郡余市町に生まれた、元社会人野球選手であり指導者です。右投げ右打ちの外野手として活躍しました。

野球との出会いは、余市町立沢町小学校4年時のこと。中学は余市町立西中学校へ進み、硬式野球チームの余市シニアでプレーしました。その後、道内有数の強豪校である駒澤大学附属苫小牧高校に進学します。同級生には、後にプロ野球界で歴史を築く田中将大氏がいました。高校時代は、前年に夏の甲子園優勝を果たしたチームにおいて、2年生ながら4番打者を任され、2005年の夏の甲子園大会では、同校の夏連覇に大きく貢献しました。

新チームが発足した当初は田中氏が主将を務めていましたが、監督であった香田誉士史氏は、「投手としての取材に加え、主将としての取材も受けることで田中将大の疲労が蓄積するのを避けたい」との配慮から、史上3校目の夏の大会3連覇に挑む大会の直前に、本間氏が主将を引き継ぐこととなりました。3年生として迎えた2006年夏の甲子園大会では、早稲田実業学校高等部に所属する斎藤佑樹氏との投げ合いが注目された決勝戦で、延長再試合の末に惜しくも敗れ、準優勝となりました。

高校卒業後は、東都大学野球リーグの強豪である亜細亜大学に進学。1年春からベンチ入りし先発出場を果たしますが、2年時に左手首を骨折する大怪我を負い、その後4年間は思うように試合に出場できませんでした。大学在学中には、社会科の教員免許も取得しています。

大学卒業後、本間氏は地元の企業であるJR北海道に入社し、社会人野球チーム（2017年よりJR北海道硬式野球クラブ）でプレーを続けました。社会人選手として、都市対抗野球大会には5回、社会人野球日本選手権大会には4回出場するなど活躍。2012年、2016年、2017年には道内社会人ベストナインにも選出されました。また、野球選手としての活動と並行して、JR北海道の駅員としても業務にあたっていました。しかし、本間氏自身の「20代で野球に一区切りをつけたい」という強い思いから、2017年限りで現役を引退し、JR北海道硬式野球クラブを退部しました。2018年4月にはJR北海道自体も退社しています。

JR北海道退社後は、日高町の自動車部品店に勤務していましたが、2018年12月、再び野球の世界に戻ることを決め、クラブチームのTRANSYSに外野手兼打撃コーチとして現役復帰を果たしました。また、野球解説者としても活動し、2020年には第102回全国高等学校野球選手権大会の代替大会である南北海道大会の模様を伝える北海道テレビ放送の中継で解説を務めています。

2021年からはTRANSYSで選手兼任助監督となり、さらに2022年には選手兼任監督に就任しました。3シーズンにわたりチームの指揮を執りましたが、2024年9月末をもって監督を退任しています。

人物像としては、高校時代にはトレードマークの眼鏡姿から「眼鏡をかけた4番」として親しまれ、当時の監督であった香田誉士史氏によく似ていることでも話題となりました。プロ野球には進みませんでしたが、甲子園での活躍やそのキャラクターから、野球ファンの間では高い知名度を誇ります。2018年8月12日に開催された第100回全国高等学校野球選手権記念大会のレジェンド始球式に登板した際には、かつて甲子園の決勝で投げ合った斎藤佑樹氏の投球フォームを模倣し、観衆を沸かせました。この始球式への参加が、現役を退いていた本間氏の野球に対する情熱を再燃させるきっかけとなり、TRANSYSでの現役復帰につながったとされています。

今後の活動については未定としつつも、将来的には学生野球に携わりたい意向や、多角的な視点から北海道の野球界の発展に貢献したいという思いを語っています。

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