本間耕曹

本間耕曹（ほんま こうぞう）

本間耕曹は、天保13年（1842年）に生まれ、明治42年（1909年）に没した明治時代の政治家であり、衆議院議員（1期）を務めました。彼はまた、浮世絵の蒐集家、浮世絵商としても知られています。

生涯

本間耕曹は、現在の山形県酒田市で、本間光道の三男である本間光和の次男として生まれました。幼名は友三郎と言いました。

早くから江戸に出て、江川太郎左衛門の塾で洋学や剣術を学びました。一時、長崎の砲術家である高崎四郎右衛門のもとで塾頭を務め、蝦夷地の北方警備にも従事しました。戊辰戦争を前にサハリンから帰郷する際、アカハネ・スネルの船で酒田に戻りました。この時、スネルと親交を深め、本間家の銃器購入に尽力したほか、仙台藩、米沢藩、会津藩などの兵器の買い入れにも携わりました。

明治6年（1873年）には9ヶ月間ドイツに滞在し、ヨーロッパの新しい知識を習得しました。明治10年（1877年）に帰国後、東京警視庁大警部外国係を明治18年（1885年）まで務めました。明治25年（1892年）には第2回衆議院議員総選挙で当選し、帝国議会議員として活躍しました。

議員引退後は東京小石川で書画骨董商を営み、特に肉筆浮世絵の売買に力を注ぎました。小林文七の蒐集品の中には、多数の耕曹コレクションが含まれていたとされ、小林を通してフリーア美術館に売却された葛飾北斎の肉筆画「漁夫樵夫図」（絹本2幅）、「煙管持つ立美人図」（絹本1幅）、「富嶽笛を吹く童子」（絹本1幅）などは、元々耕曹のコレクションであったと言われています。明治42年12月8日、兄の病気見舞いに帰郷した際、鶴岡で亡くなりました。享年68歳でした。

親族

長男は歯科医の本間光則です。

参考文献

佐藤三郎『酒田の今昔』東北出版企画、1974年。
山形放送株式会社山形県大百科事典事務局編『山形県大百科事典』山形放送、1983年。
庄内人名辞典刊行会 編『新編庄内人名辞典』庄内人名辞典刊行会、1986年。
永田生慈『資料による近代浮世絵事情』三彩社、1992年。

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