札内川ダム

札内川ダムの概要と特徴

札内川ダム（さつないがわダム）は、北海道の十勝総合振興局管内に位置し、特に自然豊かな中札内村に設置されています。このダムは、十勝川水系における一級河川、札内川の中流部に築かれており、日高山脈の襟裳十勝国立公園内にあるため、美しい自然環境にも恵まれています。

概要

国土交通省北海道開発局が直接運営しているこのダムは、治水や灌漑、水力発電を目的とした特定多目的ダムです。札内川ダムは、道内で3番目に高い堤高114.0 mを持ち、同時に15番目の貯水量を有しています。また、十勝川水系のダムとしては、堤高は首位、貯水量は3位にあたります。2012年からは、礫河原の再生を目的として、年に一度のフラッシュ放流も行われています。

仕様

ダムは、堤高114.0 m、堤頂長300.0 mの重力式コンクリートダムです。この特徴的な構造は、日鐵セメント（室蘭市）の高炉混合セメントを使用し、RCD（Roller Compacted Concrete for Dam）工法によって施工されました。これにより、ダムの耐久性と強度が保証されています。

目的と役割

札内川ダムは、雨量や雪解け水による河川の増水を効果的に調整し、下流域における灌漑水の供給や洪水の防止を行っています。具体的には、国営土地改良事業札内川地区の灌漑用水を供給したり、帯広市や音更町、幕別町などの上水道にもつながっています。さらに、8,000kWの水力発電も行い、地域の電力供給にも貢献しています。

とかちリュウタン湖

ダムによって作られた人造湖は、「とかちリュウタン湖」と名付けられています。湖の総貯水容量は54,000,000 m³で、常時の満水位は標高EL 474.0 m、利用水深は26.5 mです。この湖は、上空から俯瞰すると竜の形に見えることからこの名前が付けられました。

周辺環境

札内川ダムの周辺には、いくつかの山があり、特に札内岳や春別岳、カムイエクウチカウシ山、十勝幌尻岳などが挙げられます。また、ピョウタンの滝や日高山脈山岳センターなどの観光スポットもあり、自然愛好者にとって魅力的な環境です。さらに、北海道道111号静内中札内線を利用することでアクセスも良好で、多くの訪問者がこの地を訪れています。

まとめ

札内川ダムは、その多目的機能、堤高と貯水量の高さ、そして自然豊かな周辺環境によって評価されています。治水や灌漑、水力発電など多様な役割を果たし、地域社会に貢献している点も魅力の一つです。

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