札幌テクノパーク

札幌テクノパーク

札幌テクノパークは、北海道札幌市厚別区に広がる研究開発に特化した産業団地です。地名としては下野幌テクノパークとも呼ばれており、特に情報通信技術（IT）関連企業の集積拠点として知られています。

概要

この産業団地は、札幌市が情報通信分野を将来の主要産業として育成するという先駆的な取り組みの一環として整備されました。研究開発に重点を置いた設計がなされており、団地の立地はもみじ台地区や道立自然公園野幌森林公園に隣接するなど、豊かな自然環境に恵まれています。総面積は約29.3ヘクタールに及び、その40パーセント以上が緑地として保全されており、研究者や従業員にとって快適で創造性を刺激する働きやすい環境が提供されています。

団地は機能別に「第1テクノパーク」と「第2テクノパーク」に分けられています。

第1テクノパーク: 主に札幌市内に本社を置くソフトウェア開発やシステム構築を手がけるIT企業が多く集まっています。また、創業期の企業を支援するインキュベーション機能やレンタルオフィス、貸会議室などを備えた公的な支援施設である「札幌市エレクトロニクスセンター」もここに設置されており、地域のIT産業振興の中核を担っています。

第2テクノパーク: 北海道外に本社を置く大手企業や中堅企業の開発センター、あるいはそれらの関連会社の開発拠点が中心に立地しています。このエリアには、開拓時代から地域の人々に親しまれてきた「澄丘神社」も鎮座しています。

「北海道ITレポート」によれば、札幌テクノパークに進出する企業群は、北海道全体のIT産業が生み出す売上高の10パーセント以上を占めており、約2,500名の専門人材が日々活動しています。これは、日本国内においても有数のIT関連企業が集まる重要な拠点であることを示しています。団地内の企業間の連携や交流を促進するため、「札幌テクノパーク協議会」が組織され、セミナー開催や情報交換などを通じて、さらなる技術革新やビジネスチャンスの創出が図られています。

沿革

札幌テクノパークの歴史は、1985年に造成工事が開始されたことに始まります。翌1986年には団地へのアクセスを改善するポンノッポロ橋が開通し、同年10月には団地としての竣工を迎え、第1テクノパークの分譲が開始されました。同時に、地域のIT産業支援の拠点となる札幌市エレクトロニクスセンターがオープンしました。1988年10月には第2テクノパークの分譲が始まり、1990年3月には第2テクノパークも完成し、団地全体の整備が完了しました。そして1991年、この地域は「テクノパーク地区」として都市計画決定され、今後の発展に向けた基盤が確立されました。

アクセス

札幌テクノパークへのアクセスは、公共交通機関ではジェイ・アール北海道バス（空知線）が便利で、「テクノパーク」「テクノパーク中央」「第2テクノパーク」といった団地内に複数のバス停留所があります。北海道中央バス（白石営業所）を利用する場合は、「テクノパーク入口」バス停から徒歩約3分です。鉄道を利用する場合、最寄り駅となるJR北海道の新札幌駅や札幌市営地下鉄東西線の新さっぽろ駅からは、車で約12分程度の距離に位置しています。

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