朱耀明

朱耀明（しゅ ようめい、1944年1月10日 - ）は、香港のキリスト教牧師であり、民主活動家として知られています。彼は、香港の民主化運動において重要な役割を果たし、その行動は多くの人々に影響を与えてきました。

天安門事件と「黄雀作戦」

1989年、朱耀明は司徒華が設立した香港市民愛国民主運動支援連合会に参加し、副主席に就任しました。同年、中国本土で天安門事件が発生すると、朱は香港のマフィアや実業家からの要請を受け、事件に関わった学生や民主活動家の亡命を支援する「黄雀作戦」に深く関与しました。この作戦で、朱は学生や活動家、マフィア、そして英仏政府との調整役として、亡命を円滑に進めるための重要な役割を担いました。1997年の香港返還までの間、約400人もの亡命を成功させたと言われています。この功績は、彼の勇気と決断力を示すものとして、広く知られています。

中環占拠運動

2013年、朱耀明は戴耀廷、陳健民と共に、香港政府が2017年の行政長官選挙で民主派の立候補を排除しようとする動きに対し、信念書を発表しました。この中で、政府が方針を撤回しなければ、中環を占拠するデモを行うと宣言しました。彼は台湾を訪問し、民主進歩党の施明徳元主席や林濁水と会談し、デモ計画への支持を取り付けました。2014年7月には、香港政府の林鄭月娥政務司長と会談を行いましたが、交渉は決裂しました。

2014年8月31日、中国全人代常務委員会が民主派を行政長官選挙から排除する方針を正式に決定したことを受け、朱は民主党や学生団体と連携し、予定通りデモを実施することを宣言しました。9月9日には、戴、陳と共に中国政府の決定に抗議するために剃髪しました。9月28日には、学生団体と警官隊が衝突したことを受け、中環占拠デモが開始されました。しかし、デモの主導権は黄之鋒や周永康らの学生団体が握ったため、朱の影響力は低下しました。長期化による混乱を打開するため、12月2日に朱は戴、陳と共に自首することを表明し、学生団体にデモ隊の撤収を呼びかけましたが、学生団体はこれを拒否しました。12月3日、朱らは自首しましたが、1時間後には釈放され、在宅のまま取り調べが行われることになりました。

2015年1月9日、朱らは違法集会を組織した容疑で香港警察から出頭を求められました。24日に戴、陳と共に自首しましたが、3時間後には釈放されました。

朱耀明は、香港の民主化運動における重要な人物であり、その行動は香港社会に大きな影響を与え続けています。彼は、困難な状況においても信念を貫き、民主主義と自由のために戦う姿勢は、多くの人々に勇気を与えています。

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