朱耀翰

朱耀翰の生涯と業績

朱耀翰（チュ・ヨハン）は、1900年12月5日に平安南道平壌で生まれた。彼の家族は知識人であり、父である朱孔三は牧師であり、弟の朱耀燮と朱永燮はそれぞれ小説家・詩人、劇作家・演出家・詩人として知られている。朱耀翰は日本統治時代の朝鮮とその後の韓国において政治家および詩人として幅広く活躍した。

学歴と初期の活動

彼は明治学院中学部や旧制第一高等学校を経て、滬江大学（現在の上海理工大学）で理工科を修了した。1919年5月には上海に移住し、同年の8月には大韓民国臨時政府の機関誌『独立』の編集を担当する。こうした活動を通じて、彼は朝鮮の独立運動に関与していくことになる。

1920年2月には興社団に加入し、1925年には南京の東明学院で英語教師として教鞭を執った。1926年には修養同友会の機関誌『東光』の編集人兼発行人を務め、その後、新聞社での重要な役職も歴任した。特に、1930年代初頭には東亜日報において学芸部長や平壌支局長として活躍し、1932年には朝鮮日報の編集局長に就任した。

対日協力への転向

しかし、1937年に修養同友会の事件が発生すると、彼は対日協力へと方針を転換する。この決断は彼の政治経歴において大きな分岐点となった。戦後の1946年には韓国貿易協会の副会長に就任し、1948年には『国民新聞』の編集局長を務め、韓国のビジネス界で影響力を持った。

政治活動とその後

さらに、1949年には反民族行為特別調査委員会に逮捕されるも解放され、1950年の朝鮮戦争時には朝鮮民主党の内部で重要な役職を担った。国会議員となったのは1956年のことで、1960年には張勉内閣の商工部長官や復興部長官を歴任し、経済政策の立案にも関与した。

その後、経済に関する各種委員会での役職や、韓国海運公社社長、韓国特許協会会長、韓国能率協会会長、全国経済人連合会首席副会長を歴任し、彼の影響力は政治だけでなく経済界にも及んだ。ところが、彼の死後、親日的な活動が問題視され、反民族行為者として認定されることとなった。

主な詩作品

朱耀翰は詩人としても知られ、1918年には『불놀이』（火遊び）、1924年には『아름다운 새벽』（美しい明け方）、1929年には『3인 시가집(공저)』（三人の詩集）、1930年には『봉사꽃』（鳳仙花）などの作品を発表している。彼の詩は当時の社会情勢や彼自身の思想が色濃く反映されており、今日でも彼の作品は研究の対象となっている。

朱耀翰の生涯は、さまざまな時代を通じて朝鮮と韓国の歴史に深く根ざしたものであり、その軌跡は今なお多くの人々に影響を与えている。

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