朴胡

朴胡の生涯とその影響

朴胡（ぼく こ）は、中国の三国時代において益州巴郡の板楯蛮の王として知られています。彼が生きた時代やその経歴については詳細な記録が少ないものの、彼の影響力は地域において非常に大きなものでした。

バ郡と板楯蛮の概況

巴郡には羅・朴・督・鄂・度・夕・龔という7つの主要な姓が存在し、朴胡はその中で夷王の地位にありました。この地域の住民は通常、賦を賨（ソウ）と呼び、彼らは剽悍な性格で知られ、特に歌舞にも才能を発揮していました。

この賨人たちは、楚漢戦争の最中、劉邦に用いられ、三秦の平定に貢献し、その際には租賦が免除される特権も得ていました。こうした歴史的背景の中で、朴胡は重要な指導者として台頭しました。

劉璋と張魯の時代

建安5年（200年）、劉焉の後を受けて劉璋が巴郡を統治することになります。この時、張魯はその地位にあるにもかかわらず、過信や傲慢から反乱を引き起こしました。朴胡や杜濩、袁約といった巴の人々は張魯の側へと加わりました。この地域では、五斗米道が信仰されており、地元の人々に影響を与えていました。

しかし、劉璋の統治下で巴郡では内乱が続くことになり、現状を打破すべく龐羲が太守に任命されました。こうした権力の移行は、当時の社会情勢を敏感に反映したものでした。

曹操の侵攻と降伏

建安20年（215年）には、曹操による侵攻が始まります。張魯は陽平関の陥落を知り、降伏を考えましたが、その際に閻圃が「すぐに降伏すれば軽視される。杜濩を頼りに朴胡のもとへ赴き、まずは抵抗し、その後に降伏したほうが賢明である」とアドバイスしました。

その後、9月には朴胡や杜濩、袁約らが巴夷や住民を率いて曹操に帰順しました。この結果、彼らは列侯に封ぜられ、名声と地位を高めることとなりました。そして11月には張魯も曹操のもとへ出頭し、閬中侯に任じられました。

政権とその変遷

その後、曹操は朴胡を巴東太守に、杜濩を巴西太守に、袁約を巴郡太守に任命しました。しかし、彼らは黄権に撃破され、劉璋の反乱や曹操の強大さの影に苦しむことになりました。

さらに、曹操が漢中を平定した際、多くの地元のリーダーたちが曹操のもとに帰順し、「巴人」として新たに移住することとなりました。これにより、地域の人々や文化に大きな変化が訪れました。

洛陽への訪問

朴胡が正確にいつ洛陽を訪れたのかは不確かですが、215年から219年の間に杜濩や王平とともに訪れたという記録があります。この訪問は、彼の政治的な活動の一環として記録されており、彼が地域のリーダーとしての影響を持っていたことを示唆しています。

こうした背景から、朴胡は単なる地方の王ではなく、中国の歴史において重要な役割を果たした人物であったと言えます。彼の治世や活動は、後の歴史にも影響を与え続けました。

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