王平

王平の生涯と功績

王平（おう へい）は、中国の後漢末期から三国時代の蜀漢にかけて活躍した軍人であり、字は子均です。彼は、益州巴西郡宕渠県（現在の四川省達州市）出身で、異民族である板循蛮とされる家系に生まれました。彼は一時的に母方の姓である何を名乗っていましたが、後に王姓に戻りました。

軍歴のスタート

王平は、曹操の漢中侵攻に伴い、張魯に帰順し、異民族の指導者として地位を築いていました。彼は杜濩や朴胡と共に洛陽に赴き、校尉の位を与えられましたが、建安24年（219年）の定軍山の戦いにおいて劉備軍に降伏し、以降は蜀漢に仕官することとなりました。

諸葛亮と共にした北伐

王平は、蜀漢の名将諸葛亮の北伐にも従軍し、その名を高めることになります。特に街亭の戦いでは、彼が馬謖軍の先鋒を指揮し、戦闘中に馬謖の不適切な布陣を何度も諌めましたが、最終的に魏軍に敗れました。然し、王平の指揮する部隊は踏ん張りを見せ、敵の追撃を防ぐことに成功しました。この結果、蜀軍は全滅を免れました。

その後の活躍

彼の戦功は続き、建興9年（231年）には祁山の戦いで張郃軍を撃退し、建興12年（234年）には諸葛亮の死後、魏延の反逆を抑え込むなど大きな功績を挙げました。特に魏延に厳しい言葉を投げかけたことで、魏延の兵士たちが逃げ去る結果を生み、その後の戦局に影響を与えました。

王平はその後、後典軍・安漢将軍に昇進し、建興15年（237年）には漢中方面の守備を任されることとなり、安漢侯に封じられました。この頃には王平は、姜維や馬忠らとともに蜀漢の軍事を主導する立場となっていました。

防衛戦での奮闘

延熙7年（244年）には、魏の攻撃に際し、彼は漢中を守るために前進し、隘路で敵を足止めする戦術を取りました。この時、王平は費禕の援軍が到着するまで粘り強く防衛し、成功を収めました。彼の名声は、この地域の他の将軍たちと並ぶほど高まっていきました。

晩年と評価

延熙11年（248年）に王平は病死し、嫡子が後を継ぎました。南充市高坪区には彼の墓が現在でも存在し、清の光緒年間には「漢将軍王平之墓」と書かれた墓碑が建てられています。

歴史学者の陳寿は、王平を「忠勇にして厳整な人物」と評価し、彼の武将としての資質を称賛しました。また、彼は文才には恵まれなかったものの、その知識は確かなものであったとされ、往年の武将として名を馳せた存在でした。

まとめ

王平は三国時代の蜀漢において重要な軍人の一人であり、その戦歴や特筆すべき功績は後世に渡って語り継がれています。『三国志演義』においても彼の名は取り上げられ、後の世代に影響を与えました。彼の忠誠心と冷静な判断力から、王平は蜀漢の重要な軍の指導者として記憶されています。

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