朴重陽

朴重陽の生涯と業績

朴重陽（ぼくじゅうよう、またはパク・チュンヤン、韓国語: 박중양）は、大韓帝国及び日本統治時代の官僚、政治家、思想家として知られています。彼は貴族院で朝鮮勅選議員を務め、当時の日本の統治体制下において親日派と見なされていました。本名は山本信、または朴忠重陽といい、字は源根、号は海岳です。彼の本貫は密陽朴氏であり、1872年または1874年に京畿道の楊州で誕生したとされています。

幼少期と留学

幼少期、朴は穏やかな家庭環境で育ったわけではありません。彼の祖先は官吏の身分でしたが、その栄光は消え去り、父は異郷で他人の家で働きながら生計を立てていました。1897年、朴重陽は官費留学生として日本に渡り、東京の青山学院中学部に入学しました。1900年に無事に卒業し、さらに東京簿記学校にも通い、1903年に卒業して帰国しました。この期間中、彼は伊藤博文の教えを受けるなど、その後の政治活動に多大な影響を与える基礎を築きました。

官僚としての経歴

朴重陽の官僚としての活動は、1905年の任命から始まりました。日露戦争では日本軍の通訳として従軍し、軍務部や軍器廠で役職を歴任しました。1907年には農商工部主事として、また晋州判官や大邱郡守などのポジションに就任。その際、大邱邑城を解体するという反響を呼ぶ行動も行いました。また、全羅南道や平安南道観察使としても活動し、さらには慶尚北道観察使に任命され、政府の改革令を強行する立場となりました。

1910年8月、忠清南道観察使に任命され、韓国併合の後もその地位に留まりました。1915年には中枢院参議となり、その後も知事職に就くなど、彼は影響力のある職を次々と担っていきました。しかし、彼の職業人生は波瀾万丈で、1925年には強姦致死の疑いをかけられました。

日本統治時代とその後

1927年に再び中枢院参議に戻り、その後も様々な公職を歴任しました。彼は日本の戦争体制に協力し、1941年には朝鮮臨戦報国団の顧問として活動しました。1943年には中枢院副議長に任命され、戦争中はシンガポールや台湾の日本軍を慰問しました。1945年には叙勲を受け、貴族院議員の地位につきましたが、彼の朝鮮に対する否定的な見解は多くの批判を集めました。

彼は朝鮮人の民度を低く評価し、教育や寄付を通じて朝鮮の発展可能性は見えないと考えました。彼の発言は反響を呼び、1946年には多くの批判の中で公職を退任しました。1949年には反民族行為特別調査委員会に逮捕されたものの、無罪を主張し彼の信念を曲げることはありませんでした。この委員会は、彼の行動を「体は韓国人だが、心と行動は日本人」と評価しました。

死去と評価

朴重陽には1955年と1959年の二つの死亡説があります。2004年には親日反民族行為者と認定され、彼の財産は没収されました。彼の生涯は朝鮮の歴史において複雑な位置を占め、現代の韓国においても評価の分かれるところです。著作には『朴重陽日記』や『述懐』が残されています。

栄典

彼はまた、従三位や1945年に勲一等瑞宝章を受章するなど、多くの栄誉を受けました。このように、朴重陽の人生は複雑で多面的なものであり、彼の業績は未だに議論を呼んでいます。

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