朽木経氏

朽木経氏は、鎌倉時代末期から南北朝時代初期にかけて活躍した武将です。彼の生涯は、動乱の時代を反映しており、足利尊氏との関わり、所領の変遷、そして各地での戦闘が特徴的です。

経氏は、父の代から足利尊氏に仕えました。元徳2年（1330年）には、平姓池氏・河内顕盛の養子となり、丹後倉橋郷、武蔵、相模鎌倉郡など広大な所領を譲り受けました。この養子縁組は、彼の地位と勢力を拡大する上で重要な役割を果たしました。

延元3年/建武5年（1338年）1月、経氏は美濃黒血に要害を築き、近江や越前を転戦しました。この戦いの中で彼は負傷しますが、果敢に戦い続けました。正平6年/観応2年（1351年）には、足利尊氏から備前野田保地頭職を安堵され、足利義詮を支持し、山城や河内などで南朝勢力と戦いました。彼の軍事的な才能と忠誠心は、足利幕府にとって大きな支えとなりました。

経氏の活動は、南北朝時代の政治的な対立と、それによる社会の混乱を背景としています。彼は、足利氏という有力な武家政権を支持することで、自身の地位を確立し、所領を守り抜きました。しかし、その過程で多くの戦いを経験し、傷を負いながらも戦い続けました。

正平18年/貞治2年（1363年）6月以前に、彼は亡くなったとされています。彼の死後も、その功績は語り継がれ、歴史に名を残しました。

参考文献

安田元久 編『鎌倉・室町人名事典』新人物往来社、1985年。ISBN 4404013027。
上田正昭ほか 監修『講談社日本人名大辞典』講談社、2001年。ISBN 4062108496。

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