観応

観応（かんおう）

観応は、南北朝時代における北朝の元号で、1350年から1352年までの期間を指します。この元号は、貞和の後、文和の前に位置し、北朝天皇としての崇光天皇と後光厳[[天皇]]が即位していた時期です。この頃は幕府将軍の足利尊氏が活躍しており、観応の時代は特に政治的には波乱の多い期間でした。

改元の背景

観応は、貞和6年の2月27日（ユリウス暦1350年4月4日）に崇光天皇の即位によって改元されました。その後、観応3年の9月27日（ユリウス暦1352年11月4日）には、後光厳[[天皇]]の即位により文和に改元されることとなります。また、この元号の名称は、古代中国の『荘子』から取られた言葉で、「無為の理を観応する」という意味が込められています。

観応年間の主な出来事

観応元年（1350年）には、足利直義が京都から逃れ、尊氏や高師直らとともに九州へ向かう一連の動きがありました。10月には、直義が南朝に降伏を申し入れたのち、尊氏が福岡から引き返す場面も見られました。

観応2年（1351年）になると、情勢はさらに複雑化していきます。桃井直常が入京し、尊氏らを播磨国に追い込み、その後直義が尊氏方を撃退するなど、北朝と南朝の間での対立が激化しました。この年の途中、崇光天皇は廃位され、観応期間はわずか2年で終わりを迎えます。

観応3年（1352年）では、事態の収束が試みられますが、結局南北朝の紛争は続きました。2月、尊氏は将軍職を解かれ、南朝の北畠親房が主導する動きによって、北朝の上皇たちが南朝に拉致される事態が生じます。6月には、光厳・光明両上皇の国母が政務代行を承諾し、再び「観応」の回復を宣言しましたが、8月には崇光の弟が後光厳[[天皇]]として即位することとなります。

人物の死去

観応元年の4月には卜部兼好が、2年の9月には夢窓疎石（享年77）が亡くなっています。彼らは当時の歴史において重要な人物であり、その死去は社会に影響を及ぼしました。

関連項目

観応の時期は、特に「観応の擾乱」と呼ばれる混乱した状況と関連しています。この観応の擾乱は、南北朝の対立が激化し、政権の移り変わりが起こる中で、多くの権力者が巻き込まれた重要な歴史的事件でした。

観応の時代は、歴史の転換点となり、大きな影響を持ち続けています。そのため、この時期についての理解は、日本の中世史を考える上で欠かせない要素となるでしょう。

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