池氏

池氏

池（いけ）氏は、日本の姓氏の一つであり、複数の系統が存在します。主なものとして、平姓池氏、越後池氏、福岡池氏、土佐池氏などが挙げられます。それぞれの出自や歴史について解説します。

平姓池氏

平姓池氏は、桓武平氏の流れを汲む一族で、平清盛の異母弟である平頼盛を家祖とします。頼盛は、父・平忠盛の後妻である藤原宗子が六波羅池殿に住んだことから「池殿」「池大納言」と称されました。平家都落ちの際も頼朝から厚遇され、平家滅亡後も本官に還任されています。

頼盛の子孫である平保業は、鎌倉時代に御家人として将軍家に仕え、代々受け継がれました。一族は室町時代まで存続しましたが、所領は朽木氏に伝領されました。また、頼盛から光盛に伝わった所領は、娘たちを通して外戚の久我家へ継承されました。

越後池氏

越後池氏は、平頼盛の後裔であるとの伝承を持つ一族です。ただし、高志池君（皇別氏族）の子孫であるとする説もあります。新潟県には頼盛に関する伝承が多く残っており、特に新潟県中越地方に多く見られる苗字です。

確実な史料での初見は、弘安11年（1288年）の関東下知状であり、当時池氏は福雄荘（新潟県燕市）の一分地頭で、弥彦神社の神官も務めていました。元弘3年（1333年）には、池七郎成清が討幕軍に参加した記録が残っています。南北朝時代には南朝方として勢力を持ち、北朝方と争いましたが、後に北朝方に転じました。

戦国時代の池氏は、三条城代山吉氏の配下として活動しましたが、御館の乱で城主親綱に従い、所領を失いました。山吉氏を池氏の末裔とする説もありますが、確かな史料は確認されていません。

福岡池氏

福岡池氏は、壇ノ浦の戦いで敗れた平氏が現在の福岡県に流れ着き、改名したのが始まりとされています。また、松浦志佐郷池氏は、古城弥三郎の嫡子である古城筑後康貫を祖とし、志佐郷池成村（現在の松浦市志佐町池成免）を拝領した一族です。一族は八尾明神を氏神として祀っています。

江戸時代には、志佐喜兵衛新田の開発や淀姫神社の再建に携わりました。池弥兵衛は、志佐祖先諸士目録に足軽大将として名を連ねています。

長崎県松浦市周辺には、大蛇伝説が数多く残されており、横辺田山山崎の大蛇退治の伝説が有名です。この伝説では、古城筑後康貫（後の池筑後）が大蛇を退治し、その武勇を称えられたとされています。

土佐池氏

土佐池氏は、戦国時代後期に細川定輔の子が長岡郡池城城主となり、池頼定と称したのが始まりとされています。土佐湾東側に勢力を持ち、長宗我部氏に敵対しましたが、後に家臣となりました。長宗我部氏の水軍の中核として活動し、大阪堺との交易も行っていました。

一族の池六右衛門は、小田原征伐に代官船大将として従軍し、下田城を攻略しました。しかし、池頼和は長宗我部元親に謀反の疑いをかけられ、自刃させられました。一族には、一向宗浦戸道場を開業した池慶乗などがいます。

著名な人物

池毅（作曲家）
池頼広（音楽家）

参考文献

分水町編『分水町史 通史編』、2006年
燕市編『燕市史 通史編』、1993年

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