杉内寿子

杉内寿子：不屈の囲碁人生

杉内寿子（すぎうち かずこ、1927年3月6日 - ）は、静岡県出身の日本の囲碁棋士。喜多文子名誉八段門下で、日本棋院に所属。女流棋士として初の八段に昇段し、女流選手権戦や女流名人戦など数々のタイトルを獲得した、まさに囲碁界のレジェンドです。

幼少期からプロへ

父は元海軍軍人で、囲碁好きが高じて伊東で碁会所を開業。寿子は幼い頃から囲碁に親しみ、その才能を開花させました。伊藤清子（伊藤友恵）との出会いをきっかけにプロ棋士を目指し、本因坊秀哉や木谷實といった囲碁界の重鎮との対局を経て、喜多文子に入門。1938年に日本棋院の院生となり、1942年に見事入段を果たしました。

タイトル獲得と結婚、そして復帰

1953年、四段の時に女流選手権戦でタイトルを獲得。その後も4連覇を達成するなど、その実力は群を抜いていました。青年棋士の研究機関「敲玉会」で出会った杉内雅男九段と1954年に結婚。出産と育児のため一時休場しましたが、10年後に見事復帰を果たします。

女流初の八段、そして数々の記録

1973年には女流初の七段に昇段。1983年には大手合で女流棋士初の八段昇段と1部優勝を同時に成し遂げました。1991年からの女流名人戦4連覇も、彼女の強さを象徴する出来事です。

2014年には通算600勝を達成し、女流棋士史上最多勝記録を保持。さらに、90歳を超えてもなお現役を続け、数々の最年長記録を更新し続けています。

最年長現役棋士記録: 97歳11ヶ月
最年長公式戦対局記録: 97歳11ヶ月（2025年2月13日、対・中澤彩子戦）
最大年齢差対局記録: 83歳7ヶ月差（2023年7月13日、対・柳原咲輝戦、不戦敗）
実際に行われた最大年齢差対局記録: 82歳8ヶ月差（2024年8月28日、対・張心治戦）
女性棋士最年長公式戦勝利記録: 96歳1ヶ月（2023年4月13日、対・横田日菜乃戦）

これらの記録は、彼女の囲碁に対する情熱と、日々の鍛錬の賜物と言えるでしょう。

杉内雅男九段との絆

夫である杉内雅男九段もまた、囲碁棋士であり、日本棋院の最年長現役棋士でした。夫婦で日本棋院の1番目と2番目の最年長現役棋士であったことは、囲碁界でも有名な話です。2017年に杉内雅男九段が亡くなられた後、寿子が日本棋院最年長現役棋士となりました。

後進の育成と囲碁界への貢献

杉内寿子は、自身の棋士活動だけでなく、後進の育成にも力を注いでいます。加藤朋子、菅野尚美など、彼女の指導を受けた棋士たちが、囲碁界で活躍しています。また、日本棋院棋士会会長や女流棋士会会長を務めるなど、囲碁界の発展にも大きく貢献しました。

杉内寿子の功績

女流棋士初の八段
女流選手権戦4期、女流鶴聖戦2期、女流名人戦4期など、数々のタイトルを獲得
90歳を超えても現役を続け、数々の最年長記録を更新
後進の育成に尽力し、囲碁界の発展に貢献

杉内寿子は、まさに囲碁界の至宝。その不屈の精神と囲碁への情熱は、私たちに勇気と感動を与え続けています。

外部リンク

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