杉本和陽

杉本和陽 - 将棋棋士の経歴

杉本和陽（すぎもと かずお、1991年9月1日生まれ）は、日本将棋連盟に所属する将棋棋士です。東京の大田区出身で、攻玉社中学校・高等学校を経て、米長邦雄永世棋聖の門下生として将棋の道を歩みました。彼の棋士番号は310です。

将棋との出会い

杉本はわずか6歳のころに将棋を始めました。彼のきっかけは、アマチュア二段の父が将棋を指している姿を見て、自然とその手法を覚えたことでした。将棋に対する情熱を抱きながら成長した彼は、2003年に行われた第28回小学生将棋名人戦で優勝を飾り、同年9月には奨励会に入会しました。

奨励会での挑戦

杉本は2008年から三段リーグに参加し、14期の挑戦を経て、2017年3月4日の第60回期でついに四段への昇段を掴み取りました。この時、彼は12勝6敗を記録し、2位になったことで昇段を果たしました。彼は三段リーグで何度も昇段に迫るもあと一歩のところでの苦杯を味わい、粘り強さを示す棋士としての自信を持つようになりました。

プロ入り後の活躍

プロ入りした2017年度には、第3期叡王戦の四段予選決勝まで進みましたが、藤井聡太選手に敗れ本戦には進出できませんでした。2018年度には初めての順位戦に出場し、4勝6敗で降級点を避けることに成功しました。以降の順位戦では、2022年1月まで持ち越しています。NHK杯では予選を突破したものの、本戦1回戦で斎藤慎太郎選手に敗退しました。

2019年には第32期竜王戦で昇級者決定戦を制し、5組への昇級を果たしました。自らの棋風を磨き、着実にステップアップを重ねる姿勢が評価されています。

棋風とスタイル

杉本の棋風は主に振り飛車を用いることが多いですが、相手が振り飛車党の場合には居飛車に切り替える柔軟さを持ち合わせています。本人は自分を「対抗形党」と表現し、得意戦法はゴキゲン中飛車だとしています。また、攻めの将棋が得意であり、終盤においては非常に巧妙なプレースタイルを見せます。長時間の対局でも粘り強く戦えることから、そのスタイルにファンが多いことも特徴です。

師匠との絆

杉本は米長邦雄を公式な師匠とし、米長の最後の弟子として将棋界に入門しました。米長は、杉本をどうしても弟子にしたいと念願し、指導を受けることとなります。しかし、入門から間もなくして米長が亡くなり、彼はその後伊藤能門下に移りました。その伊藤も2016年に亡くなったため、杉本は中川大輔門下となり、再び米長門下としての扱いを受けることとなりました。

プライベートな一面

杉本は趣味としてバスケットボールを楽しみ、対局中にはウィダーインゼリーを好んで食べることでも知られています。彼はまた、2020年1月に一般女性との結婚を公表し、私生活においても充実した日々を送っています。昇段インタビューでは、三段リーグ期間中、応援してくれた人々の顔が思い浮かび、感情が高まり涙を流す場面も見受けられました。

昇段履歴

• - 2003年9月: 奨励会入会
• - 2008年10月: 三段
• - 2017年4月: 四段 (奨励会三段リーグ成績2位) = プロ入り
• - 2021年7月: 五段 (勝数規定による昇段)

彼は将棋界での活動を通じて、多くの期待を集める若き棋士として今後のさらなる成長とともに目が離せない存在です。

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