杉本正 (英文学者)

杉本 正の生涯と業績

杉本 正（すぎもと ただし）は、1928年9月19日に生まれ、2022年11月24日に逝去した日本の著名な英文学者です。北海道空知郡砂川町（現在の砂川市）出身で、彼の専門分野は特にイギリス現代詩です。教育者としての道を歩む中で、札幌学院大学の生え抜きの教員として、その発展に大きく寄与したことで知られています。

略歴

杉本は1945年に北海道庁立滝川中学校を卒業した後、1949年には札幌文科専門学院（後の札幌学院大学）の文学専攻を第1期生として卒業しました。続いて慶應義塾大学文学部を1952年に卒業し、大学教育の初期段階では主に札幌短期大学での指導に従事しました。

1956年からの札幌短期大学での助手とインストラクターとしての職務を経て、1958年には講師に就任。その後、助教授、教授と昇進し、1967年には教授として英文学を中心にさまざまな科目を教えました。さらに、1977年からは札幌商科大学に転職し、人文学部で英米文学科教授および科長として活躍しました。

杉本はまた、学校法人明和学園の理事をほぼ10年間務めるなど、学内の行政にも貢献しました。1985年から1989年までの間には人文学部の学部長としても活躍し、大学運営において重要な役割を果たしました。

1995年から1998年には札幌学院大学の学長を務め、同大学を離れるまでの長い間にわたり、彼の教育理念や研究に対する情熱が多くの学生に受け継がれていきました。70歳を迎えた1998年には、同大学を定年退職し、その後は名誉教授という地位に就きました。

エピソード

杉本正は、大学時代に卒業後の人生をより広い視野で見たいと願い、世界各国を放浪する経験を持ちました。この体験は彼の文学的視野を大きく広げ、その後の著作にも反映されています。退職後には短編小説集『馬鈴薯の涙』を出版し、自らも小説家としての活動を行いました。

主な著書・論文

杉本は学問的な業績だけでなく、実際に著述活動も行っており、多くの著書や論文があります。主な業績には以下のものが含まれます：

• - 『ロレンスの風土』（札幌短期大学論集2号, 1956年）
• - 『「J・アルフレド・ブルークロックの恋歌」そのロマン主義　苦悩について』（札幌短期大学論集3号, 1957年）
• - 『ディラン・トマス「幻と祈り」について』（札幌商科大学学会,1977年）
• - 『アメリカ研究特集によせて』（札幌学院大学人文学部紀要, 1984年）
• - 『馬鈴薯の涙 : 短編小説集』（丸善, 2005年）

杉本の業績は、英文学の学びにとって多大な貢献を果たし、多くの後輩や学生たちにインスピレーションを与え続けています。

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