杉村虎一

杉村虎一（すぎむら こいち）

杉村虎一は、1857年（安政4年）に加賀藩（現在の石川県）で生まれ、1938年（昭和13年）に亡くなった日本の外交官です。彼は、激動の時代に外交官として活躍し、日本の国際社会での地位向上に大きく貢献しました。

生い立ちと初期のキャリア

杉村虎一は、加賀藩の下級武士の家に次男として生まれました。慶應義塾、東京外国語学校を経て、1876年（明治9年）に司法省法学校を卒業後、司法省に入省。司法省勤務のかたわら、明治法律学校（現在の明治大学）で教鞭を執りました。

外交官としての活躍

1884年（明治17年）、杉村は外務省に転じ、外交官としてのキャリアをスタートさせます。彼は、交際官試補、公使館書記官を経て、駐メキシコ弁理公使、同公使、スウェーデン公使、ドイツ大使を歴任しました。特に、駐ドイツ大使としては、第一次世界大戦勃発までその任を務め、日独関係の維持に尽力しました。

帰国後の活動

1914年（大正3年）、日独戦争勃発により帰国。退官後は、明治大学の理事、名誉顧問、商議員として、大学の発展に貢献しました。

死去

杉村虎一は、1938年（昭和13年）2月10日にインフルエンザにより、東京の自宅で亡くなりました。享年82歳。墓所は多磨霊園にあります。

栄典

杉村虎一は、その功績により、以下の栄典を受けています。

1903年（明治36年）3月30日 - 正五位
1902年（明治35年）12月28日 - 旭日小綬章

親族

杉村虎一の親族には、以下のような人物がいます。

兄：杉村寛正（衆議院議員）
弟：杉村文一（紀尾井坂の変で大久保利通を暗殺し死刑）
妻の父：相良頼紹（子爵、旧人吉藩主、貴族院議員）
長男：杉村月男（妻は岩倉道倶男爵の長女、岩倉具視の孫）

長男の杉村月男には後継ぎとなる子がおらず、親族の永田家が家を継承しました。

参考資料

人事興信所編『人事興信録 第4版』人事興信所、1915年。
明治大学史資料センター 『明治大学小史―人物編』 学文社、2011年　ISBN 978-4-7620-2217-3

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