杉武明

杉武明（すぎ たけあきら）は、戦国時代の武将であり、大内氏の家臣として豊前国守護代を務めた杉氏の一族に属していました。

生涯

杉武明は奉行人として活動していましたが、大内政弘の死後、その子である義興が家督を継承すると、義興を追放し、その弟（庶兄ともされる）である大護院尊光を擁立しようと企てました。豊後国の大友親治と協力して謀反を準備していましたが、事前に発覚。明応8年2月16日、杉武明ら関係者は自害に追い込まれ、大護院尊光は豊後国へ逃れました。

しかし、反乱の具体的な理由は明確にはなっていません。義興の時代に入ってからも、九州の少弐氏との戦いで活躍しているなど、表面上は義興が杉武明を疎んじている様子はうかがえません。

藤井崇は、大内義興が畿内に出陣中に発生した明応の政変への対応の不手際によって、大内政弘が義興側近を切腹させた事件（明応2年8月4日）が発生したことを指摘しています。この時、義興に仕えるはずの杉武明が政弘の命令に従ったと推測されています。この一件で杉武明が義興を軽んじたとして義興から疎まれ、最終的に殺害された可能性と、杉武明は謀反と直接的な関わりはなかったものの、尊光の傅役としてその責任を問われて自害した可能性を指摘しています。

また、下関市住吉神社に保存されている国の重要文化財「住吉社法楽百首和歌短冊」には、三条西実隆筆の序文と相良正任、杉武明が連署した添え状が現存しています。このことから、文化的な活動にも関与していたことが窺えます。

杉武明の生涯は、大内氏の家臣としての活動、主君への反逆、そしてその最期という、戦国時代の武将の典型的な軌跡を辿ったと言えるでしょう。しかし、その反乱の背景には、大内氏内部の複雑な権力闘争や、杉武明自身の立場などが深く関わっていたと考えられます。

脚注

参考文献や史料のリストがあればここに記載します。

関連項目

杉氏
大内氏
大内義興
* 大護院尊光

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