杉江弘

杉江弘

杉江弘（すぎえ ひろし）は、日本の航空評論家、ノンフィクション作家、そして航空映画評論家として多岐にわたる分野で活躍しています。彼はまた、元パイロットであり、長年にわたり日本航空（JAL）で機長を務めました。

人物

愛知県豊橋市出身の杉江氏は、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、日本航空に入社しました。幼少の頃は蒸気機関車の運転手を夢見ていましたが、蒸気機関車の引退を機に、その夢を諦めました。その後、友人の勧めで日本航空のパイロットを目指すことになったというエピソードがあります。趣味はゴルフ、スキー（インストラクターの資格も持つほど）、そしてワインと多岐にわたります。

経歴

日本航空では、DC-8、ボーイング747、エンブラエルE170など、様々な機種の操縦を担当し、中には首相フライトをはじめとする政府要請による特別便の操縦も経験しました。特にボーイング747の飛行時間は14,051時間（うち機長としての飛行時間は12,007時間）を記録し、2011年にはボーイング社から、ジャンボ機の設計者であるジョー・サッターのサイン入りモデルプレーンを贈呈され、その功績が称えられました。

2008年10月に日本航空を退職後、ジェイエアに移籍し、エンブラエル E-Jetの操縦を行いましたが、2011年10月にパイロットを引退しました。パイロットとしての総飛行時間は21,000時間以上に及びます。

パイロット引退後は、航空評論家、ノンフィクション作家として活動し、テレビ、ラジオ、雑誌、ウェブメディアなど、多岐にわたるメディアに出演しています。朝日新聞の「天声人語」で2度発言が紹介されるなど、その見識は広く認められています。また、ビジネスジャーナル、JBpress、交通新聞社などで連載記事を執筆し、Yahoo!ニュースランキングの上位に掲載されることもあります。

写真家としても活動しており、2004年には新宿区のアートギャラリー・エプサイトで個展『地球サイズの旅』を開催しました。Seven Seas誌では『六大陸世界SL紀行』を発表し、劇団四季に舞台用写真を提供するなど、幅広い分野で才能を発揮しています。

活動

日本航空安全推進部調査役として、安全運航に関するポリシーの立案と推進に尽力しました。現役時代から航空安全に関する著書を多数執筆し、退職後も講演会やメディア出演を通じて、航空問題やLCCの安全性について解説・啓蒙活動を行っています。また、世界で発生した航空事故について独自の分析を行い、安全に関する提言を行うとともに、海外での生活経験を基に、日本と外国の文化の違いを解説し、日本の将来について問題提起を行っています。

著書（一部）

航空運賃の歴史と現況（2021年 戎光祥出版）
パイロットは知っている 羽田増便・都心低空飛行が危険なこれだけの理由（2020年 合同出版）
JAL123便墜落事故 自衛隊&米軍陰謀説の真相（2017年 宝島社）
航空無線と安全運航（2017年 成山堂書店）
蒸気機関車よ永遠に（2017年 イカロス出版）
乗ってはいけない航空会社（2016年 双葉社）

テレビ出演（一部）

ザ!世界仰天ニュース「520人が犠牲…日航ジャンボ機墜落事故…突然の衝撃音と運命の32分間」（2023年11月14日）
NHKワールド 「東京都心ルート問題」（2020年3月30日）

杉江弘は、その豊富な経験と知識を活かし、航空業界の発展と安全に貢献し続けています。

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