杉野昭夫

杉野 昭夫（すぎの あきお）

杉野昭夫は1944年9月19日生まれの日本のアニメーター及びアニメ監督で、北海道北見市出身、札幌市生まれです。彼はテレビアニメの黎明期から活動を開始し、以降約45年以上にわたり、日本のアニメ界で大きな影響を与えてきました。特に、出崎統監督とのコンビで『あしたのジョー』や『エースをねらえ!』、さらには『国松さまのお通りだい』や『宝島』など、数多くの作品でキャラクターデザインや作画[[監督]]を担当し、非常に高く評価されています。

出崎統は2007年に行ったインタビューで、杉野の才能について「彼が描くキャラクターは全て生き生きとしており、真実味を持っています。杉野が描く丈の目を見たとき、彼がこれまで描いたことのない表現ができると感じました」と述べ、その表現力を称賛しました。また、出崎と杉野の関係は「相思相愛」とされ、アニメ制作において特別な連携を築いてきました。

杉野の特徴的な線描は、一部からは硬質だと評価され、また別な視点からは柔らかいとも言われる独自のスタイルを持っています。手塚眞は、彼の作品における絵柄の変化にも言及し、原作のイメージを巧みに踏まえつつも、各作品に応じた表現を行っていることを指摘しています。例えば、『ブラック・ジャック』では劇画調の絵柄を採用し、一方で『ジャングル大帝』や『ユニコ』などでは、原作のテイストを生かした柔らかい曲線的なデザインを用いています。

杉野は非常に高い作画能力を持ち、制作時には仲間たちからの信頼も厚いことで知られています。『あしたのジョー』では、彼が作画[[監督]]として原画修正を行う際、絵コンテを見なくても全て頭の中に入っていると言われ、原画家の小さなミスを完璧に直すことができる才能を持っています。また、『宝島』の最終回の作画修正では、彼は感情移入をし、涙を流しながら作業したことが語られています。これにも森本晃司は、「彼はシーンの意味を深く理解しているからこそ、強い思い入れを持って描いているのだと思う」と述べています。

杉野は、アニメーターとしてのキャリアをスタートしたのは1964年のことで、虫プロダクションでの活動が始まりました。彼は、当時のアニメーションのスタイルを革新するような作品に取り組み、特に出崎統との出会いは彼の職業人生においての重要な転機となりました。二人のコラボレーションは1970年の『あしたのジョー』における作画[[監督]]として本格的に実現し、その後マッドハウスを設立するなど、常に新しい挑戦をいくつも行ってきました。

さらに、1980年代後半からは海外制作と合作する機会も増え、多様な作品に関わっていきました。彼のデザインした作品は多くのファンに愛され、アニメーションの世界で名を馳せ続けています。今後も杉野の活動から目が離せません。

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