杉野正

杉野 正の経歴と業績

杉野正（すぎの ただし）は、日本の実業家であり、1958年5月25日に生まれました。彼は主にT＆Sコンサルティング株式会社の代表取締役として知られており、その経歴は特に鉄道の経営再建の成功に注目されています。杉野は神奈川県川崎市多摩区で育ち、武相高等学校を卒業した後、神奈川大学経済学部に進学しました。卒業後はユニ・チャームに入社し、一般的な企業活動に従事していましたが、その後、エイチ・アイ・エスに転職しました。

2002年6月、杉野は澤田秀雄から依頼され、しなの鉄道の再建に向けて社長に就任しました。この時期、しなの鉄道は業績不振に苦しんでおり、杉野は不利な契約を解消し、コストの削減と収入増加を図りました。彼は、社員教育においても厳しい姿勢を貫き、「儲ける」という意識を社員に植え付けました。こうした取り組みの結果、彼は2年間でしなの鉄道を黒字経営に転換させることに成功しました。

杉野の成果は、メディアにも取り上げられ、これが縁となって、埼玉県から埼玉高速鉄道の社長職に招かれることとなりました。埼玉高速鉄道もまた、巨額の赤字を抱えていましたが、杉野の経営手腕によって再建が期待されました。彼は、営業職に長年従事しており、埼玉高速鉄道時代には自ら記念乗車カードの発売なども行うなど、積極的に営業活動に取り組みました。このように利益追求型の経営スタイルは、マスメディアでも高く評価されることが多く、彼は自らを「プロのサラリーマン」と称するに至ります。

杉野は、2004年11月30日には「日経スペシャル ガイアの夜明け」という番組で特集され、「鉄道界または信州のカルロス・ゴーン」として紹介されたこともあります。しかし、彼は2006年11月16日付けで埼玉高速鉄道の社長職を退任します。

杉野は、その後2007年4月に神奈川県知事選挙に立候補しましたが、現職の松沢成文に敗北。この選挙を経て、同年5月には美容室フランチャイズ運営企業のスタイルデザイナーの代表取締役社長に就任しました。また、2008年1月にはシャトレーゼの社長に就任するも、経営方針の不一致により同年6月に退任。その後、2011年にはアルテサロンホールディングス傘下の美容室運営企業・アッシュの代表取締役会長に就任し、2013年にはツカダ・グローバルホールディング傘下のブライダル事業企業、アクア・グラツィエの専務取締役に就任しました。

2017年には独立し、T＆Sコンサルティング株式会社を設立。以来、企業コンサルティングを手掛け、人々のビジネス成功を支援しています。杉野正はその多彩な経歴と実績を持ち、鉄道業界のみならず、多様な分野で抜群の手腕を発揮してきた実業家です。彼の著書「俺が黒字にしてみせる!」は、特に経営再建を志す方々にとって貴重な参考になるでしょう。

もう一度検索