李会昌

李会昌（イ・フェチャン）の生涯

李会昌（イ・フェチャン、이회창、1935年6月2日 - ）は、韓国の政治家です。本貫は全州李氏で、カトリック教徒としてオラフという洗礼名を持ちます。号は俓史（キョンサ、경사）です。

人物と経歴

ソウル大学校法学部を卒業後、カリフォルニア大学バークレー校やハーバード大学で学びました。弁護士として活動後、最高裁判事などを経て、金泳三政権下で監査院長に抜擢され、汚職摘発に辣腕を振るいました。その後、国務総理（首相）に就任しますが、1994年4月には総理の役割・権限をめぐり大統領と対立し辞任しました。この一件は、彼の硬骨漢ぶりを示すものとして知られています。

親族には、母親の兄弟に金洪鏞、金汶鏞、金星鏞、母親の姉妹の夫に姜世馨がおり、いずれも国会議員を務めた経験があります。また、元検事の父親・李弘圭の兄には化学者の李泰圭がいます。弟の李会晟は経済学者で、気候変動に関する政府間パネルの議長を務めました。元大法院裁判官の韓聖寿は岳父、元憲法裁判所裁判官の韓大鉉は妻の兄弟にあたります。長男は元商工部長官・元動力資源部長官の李鳳瑞の娘と結婚しました。

大統領選挙への挑戦

1996年4月の総選挙で、与党・新韓国党から出馬し国会議員に初当選しました。1997年末の大統領選挙では、新韓国党の後継政党であるハンナラ党から出馬しましたが、当時の与党系陣営の分裂、アジア通貨危機、そして自身の息子たちの兵役逃れ疑惑などの逆風が吹き荒れ、金大中氏に僅差で敗れました。

落選後は、イメージ払拭のため農作業や清掃奉仕に取り組みました。2002年末の大統領選挙にも再挑戦しましたが、選挙直前にブローカー金大業による「兵役不正隠蔽疑惑」という嘘の情報がメディアに流され、支持率が急落しました。この事件は「金大業兵風事件」と呼ばれ、結果として盧武鉉氏に僅差で敗れることとなりました。

2007年の大統領選挙では、当初はハンナラ党の李明博氏が優勢でしたが、李氏に様々な疑惑が浮上したため、李会昌は保守系無所属として出馬しました。しかし、李明博氏に大差をつけられ、三度目の大統領選挙も敗北に終わりました。

自由先進党の結成とその後

2008年2月1日には、自由先進党を立ち上げ、初代総裁に就任しました。同年4月の総選挙では自身も当選し、国会議員として活動しましたが、党運営をめぐる対立などにより、2011年には党代表を辞任しました。その後、2012年にはセヌリ党（ハンナラ党が党名変更）に入党し、朴槿恵候補の支持を表明しました。さらに2017年には、正しい政党に入党し、劉承旼候補を支持するなど、政党を渡り歩きました。

李会昌の政治家としてのキャリアは、数々の疑惑やスキャンダル、党内での対立に彩られており、激動の韓国政治史を象徴する人物の一人といえるでしょう。

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