李儀

李儀（り ぎ、生年不詳 - 1437年）は、明代に活躍した官僚です。本貫は順天府涿州にありました。

生涯

永楽年間、李儀はその才能を認められ、推薦によって戸部主事に任じられました。1426年（宣徳元年）には、宣徳帝が漢王朱高煦の反乱を鎮圧した後、李儀は趙王朱高燧の護衛を解くよう進言しました。当時、兵部尚書の張本も趙王が朱高煦と共謀していたと訴えましたが、宣徳帝はすぐには聞き入れませんでした。しかし、同様の意見が相次いだため、宣徳帝は言論をいったん封じ、使者を派遣して李儀の提案に従うよう趙王を説得しました。その結果、趙王は護衛を返上し、趙の封国は無事に維持されました。その後、李儀は九江知府として赴任し、その善政は広く知られるようになりました。

1435年（宣徳10年）に、各地の巡撫が初めて設置されると、李儀は右僉都御史として大同・宣府の巡撫を任されました。1436年（正統元年）には、大同の東西二路を総兵官の羅文と方政に担当させるよう請願し、英宗に認められました。この頃、北京の朝廷では、方政と楊洪を塞外に出征させ、甘粛の将である蔣貴と史昭と合流させてドルジ・ベクを攻撃する計画が議論されていました。李儀はこの出征に反対しましたが、彼の意見は聞き入れられませんでした。

その後、李儀は督糧参政の劉璉を職務不適格として弾劾しました。これに対し、劉璉は李儀が淫乱な行為をしていたと誣告しました。この時、参将の石亨が鎮守中官の郭敬の罪を訴えようとしており、事前に李儀に相談を持ちかけました。しかし、李儀が誤ってこの相談内容の文書を核餉主事の文巻に綴じてしまったため、戸部がこの事実を朝廷に報告しました。結果として、石亨と郭敬は互いを非難しあう上奏を行うことになりました。英宗は李儀と劉璉に弁明を求め、郭敬らを厳しく叱責しました。劉璉は俸給2年の停止処分にとどまりました。

1437年（正統2年）2月、李儀は自らの罪を認めず、弾劾を受けて法吏に引き渡され、獄中で亡くなりました。彼の死は、政治的な陰謀が絡んだ悲劇的なものでした。

李儀は、明代の官僚として、その職務に忠実であり、公正な政治を追求しようとしましたが、最終的には政治闘争の犠牲となりました。

参考文献

* 『明史』巻159 列伝第47

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