涿州

涿州（たくしゅう）について

涿州は、中国にかつて存在した州であり、唐代から民国初年にかけて、現在の河北省保定市東部に設置されていました。

歴史

唐代: 769年（大暦4年）に、唐朝が幽州から范陽・帰義・固安の3県を分割し、涿州を設立しました。涿州は河北道に属し、范陽・帰義・固安・新城・新昌の5県を管轄していました。
後晋: 936年（天福元年）には、後晋によって燕雲十六州の一つとして契丹に割譲されました。
遼: 遼の時代には、涿州に永泰軍が置かれ、南京析津府に属していました。この時期には、范陽・帰義・固安・新城の4県を管轄していました。
北宋: 1122年（宣和4年）には、金の将軍である郭薬師が涿州ごと北宋に降伏しました。涿州は涿水郡の郡号を受け、威行軍節度に昇格し、燕山府路に属して范陽・帰義・固安・新城の4県を管轄しました。
金: 金の時代には、涿州は中都路に属し、范陽・固安・新城・定興・奉先の5県を管轄していました。
元: 1236年（太宗8年）には、モンゴル帝国によって涿州は涿州路に昇格しました。1263年（中統4年）には、涿州路は涿州と改められ、元朝時代には大都路に属し、范陽・房山の2県を管轄しました。
明: 1368年（洪武元年）には、明朝によって大都路が北平府と改められたため、涿州はそのまま北平府に属しました。州治であった范陽県が廃止され、涿州に編入されました。1403年（永楽元年）には、北平府が順天府と改称されたため、涿州はそのまま順天府に属し、房山県を管轄しました。
清: 清朝時代には、涿州は順天府に属し、属県を持たない散州となりました。
* 中華民国: 1913年、中華民国によって涿州は廃止され、涿県と改められました。

このように、涿州は時代によって支配者が変わり、所属する行政区画や管轄する県の数も変動してきました。その歴史は、中国の政治情勢の変遷を反映するものと言えるでしょう。

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