李元則

李元則（り げんそく）は、唐の初代皇帝・李淵の十二男であり、その生涯は必ずしも平坦ではありませんでした。彼の事績を以下に詳述します。

生い立ちと初期のキャリア

李元則は、生年は不明ですが、李淵の側室である王才人を母として生まれました。字（あざな）は彝（い）と称しました。武徳4年（621年）に荊王（けいおう）に封じられ、これが彼の政治的なキャリアの始まりとなりました。

地方官としての活動

貞観7年（633年）には豫州（よしゅう）刺史（しし）に任じられ、地方官としての経験を積みます。貞観10年（636年）には彭王（ほうおう）に改封され、遂州（すいしゅう）都督（ととく）に任ぜられました。しかし、間もなく冠服（かんぷく）が位階を越えているという理由で免官されてしまいます。これは、彼の不注意さを示すエピソードと言えるでしょう。

名誉回復と最期

免官後、貞観17年（643年）に澧州（れいしゅう）刺史に任じられると、李元則は態度を改め、職務に励みました。その結果、彼は名声を獲得し、人々に慕われる存在となりました。永徽3年4月7日（652年5月20日）に世を去ると、司徒（しと）・荊州大都督（けいしゅうだいととく）の位を追贈され、献陵（けんりょう）に陪葬（ばいそう）されました。彼の死を悼み、高宗（こうそう）は望春宮（ぼうしゅんきゅう）に登って葬列が過ぎるのを見送り、激しく慟哭したと伝えられています。

後継

李元則には子がなかったため、霍王（かくおう）李元軌（り げんき）の子である李絢（り じゅん）が後を継ぎました。李絢は龍朔（りゅうさく）年間に南昌王（なんしょうおう）に立てられています。

人物評価

李元則は、初期にはその地位にふさわしくない行動もあったものの、最終的には地方官として善政を敷き、人々に慕われる存在となりました。高宗が彼の死を深く悼んだことからも、その人となりが偲ばれます。

参考文献

旧唐書 巻64 列伝第14「彭王元則伝」
新唐書 巻79 列伝第4「彭王元則伝」

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