李元嘉

李元嘉（り げんか）

李元嘉（619年 - 688年）は、唐の高祖・李淵の十一男であり、韓王に立てられた人物です。字は元嘉。

生涯

母である宇文昭儀は、宇文述の娘であり、高祖から非常に寵愛されました。高祖は彼女を皇后にしたいと考えましたが、宇文昭儀は固辞しました。元嘉は、母が受けた寵愛のために、他の兄弟たちよりも特に高祖に愛されたと言われています。

621年、元嘉は宋王に封じられ、後に徐王に改封されました。632年には、食封700戸を与えられ、潞州刺史に任じられました。潞州にいた当時、元嘉は15歳でしたが、母である宇文太妃が病に倒れたという知らせを聞くと、悲しみのあまり食事を絶ちました。宇文太妃が亡くなった際には、その悲しみようは尋常ではなく、太宗が慰めたと伝えられています。

元嘉は若い頃から学問を好み、蔵書は1万巻にも及んだとされています。また、古代の碑文を収集し、古文字の異同を研究することに熱心でした。弟の李霊夔とは非常に仲が良く、庶民の兄弟のように親しく付き合っていたと言われています。

635年、右領軍大将軍に任ぜられ、636年には韓王に改封され、潞州都督を兼任しました。649年には、食封が1000戸まで加増されました。高宗の晩年には、沢州刺史に転じました。武則天が権力を握ると、太尉に進み、定州刺史に異動しました。

垂拱年間には、絳州刺史に移されました。688年、元嘉の子である李譔が、越王・李貞やその子の李沖と共に宗室を糾合して挙兵しようとしました。しかし、李沖が済州で敗北し、元嘉は洛陽で捕らえられました。武則天は元嘉に自害を命じ、彼の氏を「虺」と改めました。

元嘉には6人の子がいました。長男の李訓は潁川王となりましたが、早世しました。次男の李誼は武陵王・濮州刺史となりました。李諶は上党公・杭州別駕となりましたが、父や弟と共に処刑されました。李譔は黄国公となり、通州刺史を務めましたが、病を理由に辞職し、越王・李貞の挙兵に呼応して父と共に自害させられました。五男の李訥は、神龍初年に韓王の爵位を継承しました。

伝記資料

『旧唐書』巻64 列伝第14「韓王元嘉伝」
『新唐書』巻79 列伝第4「韓王元嘉伝」

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