李霊夔

李霊夔（り れいき）

李霊夔（生年不詳 - 垂拱4年9月11日（688年10月10日））は、中国の唐王朝の初代皇帝、高祖李淵の第19子として生まれました。母は宇文昭儀です。

生涯

李霊夔は幼い頃から学問を好み、特に草書や隷書といった書道に秀でていました。また、音楽にも造詣が深く、音律に通じていたと伝えられています。その才能は早くから評判となり、若くして名声を得ました。同母兄である韓王李元嘉とは特に親しく、兄弟仲良く過ごしたようです。

貞観5年（631年）には、魏王に封ぜられました。その後、貞観10年（636年）に燕王に改封され、食封として八百戸を与えられ、幽州都督に任じられました。貞観14年（640年）には、魯王に徙封され、兗州都督に転任しました。貞観23年（649年）には、食封は千戸にまで加増され、その地位は安定しました。

永徽6年（655年）には、隆州刺史に転じました。その後も、絳州・滑州・定州の刺史を歴任し、太子太師も務めました。垂拱元年（685年）には、邢州刺史に転任しています。

しかし、垂拱4年（688年）、越王李貞らとともに、則天武后に対する起兵を企てたことが発覚します。事が漏れたため捕らえられ、振州に流刑となり、その地で自害しました。これにより、彼の輝かしい経歴は悲劇的な結末を迎えることとなりました。

李霊夔には、李詵と李藹という二人の息子がいました。李詵は清河王となりましたが、早世しました。李藹は范陽王となり、越王李貞の反乱が失敗に終わると察知し、その陰謀を密告する側に回ったため、死罪を免れました。右散騎常侍などを務めましたが、後に酷吏によって殺害されました。神龍初年（705年頃）、李霊夔父子の名誉は回復され、爵位が生前に遡って追贈されました。李藹の子である李道堅が家督を継ぎました。

伝記資料

『旧唐書』巻64 列伝第14「魯王霊夔伝」
『新唐書』巻79 列伝第4「魯王霊夔伝」

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