李容浩

李容浩 (リ・ヨンホ) のプロフィール

李容浩（り よんほ、リ・ヨンホ）は、1956年に生まれた朝鮮民主主義人民共和国の政治家および外交官です。彼は朝鮮労働党中央委員会の政治局員や国務委員会の委員を務め、外務大臣としても知られています。日本では「李容浩」という漢字表記が使用されていますが、中国では「李勇浩」と表記されます。

経歴

李容浩は平壌外国語大学を卒業後、朝鮮民主主義人民共和国の外務省に入省しました。最初に駐スウェーデン朝鮮民主主義人民共和国大使館での勤務を経て、外務省本省で東南アジア国連地域フォーラムの団長を務めるなど、地道にキャリアを築いていきました。

2003年には駐英朝鮮民主主義人民共和国特命全権大使に任命され、翌年には駐アイルランド特命全権大使を兼任しました。その後、金正日体制において2010年に外務省副相に就任し、2011年には６カ国協議の首席代表に任命されるなど、外交の最前線で活躍しました。

政治局員への昇格と外務大臣就任

金正恩体制が始まると、李容浩は2016年5月に開催された朝鮮労働党第7次大会で政治局員候補に選出され、外交担当の党副委員長の後任として外務相に任命されました。同年6月には国務委員会委員にも就任しました。

2017年9月には国連総会に出席し、記者会見で太平洋上での水爆実験の可能性を言及、さらに弾道ミサイルによる先制攻撃の可能性についても示唆しました。2017年10月には党中央委員会政治局員に昇格しました。

国際会議と活動

彼は国際的な場でも多くの活動を展開しました。2018年にスウェーデンを訪れ、非核化や米朝首脳会談について協議が行われ、その後も中国やロシアを訪問し、重要な外交交渉を行いました。また、同年の国連総会ではアメリカの関係者と会談する場面もあり、非公式な外交努力を続けました。

解任とその後

2019年3月、最高人民会議第14期代議員選挙で当選し、4月には国務委員に再選されました。しかし、2020年1月には外務大臣解任の報道が流れ、アメリカとの交渉が進まなかったことがその理由とされるなど、政治的な立場が不安定になっていきました。翌4月には国務委員会委員からも解任されました。

2023年1月には、李容浩が粛清されたとの情報が報じられ、韓国の国家情報院もそれを確認しました。その背景には、彼が携わっていた贈収賄事件や外交の行き詰まりがあると言われています。結果として、李容浩は北朝鮮政権における激しい権力闘争の中で最終的に失脚しました。

このように李容浩は、北朝鮮の外交界において重要な役割を果たしてきた人物でありながら、政治的な危機によって厳しい運命を迎えました。

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