李寿 (成漢)

李寿の生涯と治世

李寿（り じゅ）は、五胡十六国時代の成漢における第4代皇帝で、字は武考と称される。彼の父親は、建国の功績を挙げた李驤である。李寿はその治世において数多くの功績を残し、軍事的な才能を発揮した。

李雄の時代

李寿は、青年期に母の昝氏とともに西晋の侵攻に捕らえられたが、詳細な解放の経緯は記録が残されていない。彼は聡明で学問を好む人物であり、礼節を重んじ、他の皇族の子らとは一線を画していた。この点を見抜いた李雄は、彼に重責を任せるべき人物だと称賛した。

306年に李寿が前将軍に任命されて以降、彼は優れた将軍としての能力を発揮し、地位を一層高めていく。特に318年の父の反乱平定後には、巴西を治めるために在野の士を招いてその施策を用い、成果を上げる。また、323年から331年にかけても数度の戦闘があり、陰平や武都を攻撃したが、楊難敵に阻まれる場面も見られる。

さらに、332年には朱提を攻撃し、かなりの領土を平定した結果、李雄の喜びを買い、建寧王に封じられる。しかし、李寿の前には多くの試練が待ち受けていた。

李班・李期の時代

334年、李雄が亡くなると、李班が皇位を継承し、李寿は遺詔により政権の中枢を担うことになった。しかしその後、李班が殺害され、李期が即位すると、彼は李寿に別の任務を課していく。李寿はその命令を果たす中で、反乱者の李玝への慈悲を見せ、一時同盟を組んだが、最終的に彼を討伐することになる。

この時期、李寿は朝廷の重臣から警戒されるほどの力をつけていったものの、内政では権力闘争が続いていた。特に李期は、仲間を余計な疑念を抱くようになり、李寿への排斥を企てる。李寿は自らの安全を図りつつ、周囲に対する察知能力を高める必要があった。

成都の制圧

338年、ついに李寿は反乱を起こし、成都を掌握する。彼は内外の承認を取り付けるため自らの正義を声高に言い、これまでの権力者を排除していく。しかし、その成功は多くの人々に混乱を引き起こし、犠牲者を生むこととなった。政権を握った後、李寿は多くの改革を行うが、急速な権力集中が民衆の不満を募らせた。

これに伴い、李寿は次第に傲慢さを見せるようになり、従来の良政から逸脱する事態も起きた。その後、彼は病にかかり、周囲からの警告を無視し続け、彼を非難する者が次々に排除される。また、彼の病気はその後の権力の不安定さを象徴する事態をも引き起こしてしまった。

没落と結末

343年に李寿は亡くなると、享年44という若さであった。彼の治世は僅か5年だったが、その間の功績と暴力を伴う権力闘争は、後の成漢にとって大きな影響を与えることになる。彼はその生涯を通して、様々な試練と栄光、そして悲劇的な結末を辿った歴史的な人物であった。李寿の名は今なお語り継がれ、成漢の盛衰の象徴として理解される。

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