楊難敵

楊難敵（よう なんてき）

楊難敵（生年不詳 - 334年）は、五胡十六国時代の前仇池の第2代君主です。初代君主である楊茂搜の子として生まれ、その跡を継ぎました。弟に楊堅頭、子に楊毅がいます。また、楊宋奴（楊定・楊盛の祖父）も子として知られています。

生涯

混乱の時代を生きる

296年、父である楊茂搜が斉万年の乱を避けて仇池に移ると、楊難敵もこれに従いました。その後、上邽に割拠していた南陽王司馬保によって、征南将軍に任じられます。

しかし、その行動は時に非道であり、梁州に養子を派遣して子供を密売させたことがありました。この行為を知った梁州刺史の張光は、養子を鞭打ち殺害。これに対し、楊難敵は激怒し、張光を非難しました。

313年5月、張光と王如の残党である楊虎が梁州の覇権を争うようになると、両者は楊茂搜に救援を求めました。楊茂搜は楊難敵を派遣し、張光を援護させます。しかし、楊難敵は張光から金銭を得られなかったため、楊虎からの賄賂を受け取り、内通。戦いにおいて張光を裏切り、敗北させました。

梁州の支配と失墜

314年9月、張光が亡くなると、楊難敵は楊武と結託して梁州を急襲し、胡子序を追放して自ら梁州刺史を自称しました。しかし、その支配は長くは続きません。楊虎が成漢へ亡命すると、梁州出身の張咸らが挙兵し、楊難敵を攻撃。楊難敵は敗走し、梁州は成漢の領土となりました。

317年12月、父の楊茂搜が亡くなると、楊難敵は仇池の君主となりました。彼は勢力を二分し、弟の楊堅頭に一部を統治させました。自身は左賢王を称して下弁に割拠し、楊堅頭は右賢王として河池に割拠しました。

前趙との関係

322年2月、前趙の皇帝劉曜が仇池を攻撃すると、楊難敵は迎え撃ちましたが敗北。劉曜は仇池を制圧しましたが、疫病の流行により撤退を余儀なくされました。撤退にあたり、劉曜は楊難敵を懐柔し、前趙の藩臣としました。楊難敵は前趙から厚遇を受け、武都王に封じられました。

323年7月、陳安が前趙によって滅ぼされると、楊難敵は前趙の襲来を恐れ、仇池を放棄して漢中に逃れました。しかし、前趙軍に追撃され、多くの物資と人々を失いました。その後、楊難敵は成漢に降伏を申し出ますが、李稚に拘束され、最終的には成漢への帰順を拒否しました。

成漢との戦いと仇池奪還

楊難敵は、成漢の攻撃を度々受けましたが、これを撃退。325年3月には、仇池を奪還し、田嵩を生け捕りにしました。田嵩は楊難敵に屈することなく、罵詈雑言を浴びせ、最期は楊難敵に斬りかかり殺害されました。

その後も、楊難敵は前趙や成漢との間で кратки постоянни युद्धを繰り広げ、331年には李寿の攻撃を撃退しました。

334年1月、楊難敵は亡くなり、子の楊毅が後を継ぎました。

人物評価

楊難敵は、激動の時代において、自らの勢力維持と拡大のために、時には裏切りや насилия も辞さない диктатор でした。しかし、その一方で、周辺勢力との диплом を通じて、仇池の независимость を保ちました。彼の治世は、五胡十六国時代の типична な一側面を映し出しています。

脚注

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参考文献

『資治通鑑』巻88 - 巻95
『宋書』氐胡伝

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