李昌祺

李昌祺（り しょうき、1376年 - 1452年）は、明代に活躍した官僚であり、その名は禎、字は昌祺（字をもって通称された）、号は僑庵・白衣山人・運甓居士と称しました。本貫は吉州廬陵県にあります。

生涯

1376年（洪武9年）6月26日、李伯夔と劉氏の間に生まれた李昌祺は、1404年（永楽2年）に進士に合格し、翰林院庶吉士に任じられました。この時、彼は大規模な百科事典である『永楽大典』の編纂事業に携わり、その才能を早くから開花させました。その後、礼部主客司郎中に抜擢され、更に広西左布政使へと転じ、地方行政においてもその手腕を発揮しました。しかし、父の死去に伴い、一旦職を辞して喪に服します。

1425年（洪熙元年）には、河南左布政使として再び官界に復帰。この地では、河南右布政使の蕭省身と共に、不正を働く有力者を逮捕し、政務の停滞を解消しました。また、災害に苦しむ貧しい人々を救済するなど、その善政は広く民衆に支持されました。しかし、母の死去により、再び辞職し喪に服すことになります。

1430年（宣徳5年）、河南で深刻な旱魃が発生。この緊急事態を受け、李昌祺は喪が明けないうちにもかかわらず、廷臣からの強い要請により河南左布政使として復職。その迅速な対応は、人々の窮状を救いました。1436年（正統元年）には、政治に関する三つの重要な提言を上書し、それらは全て裁可され、彼の政治手腕と見識の高さが改めて示されました。

1439年（正統4年）4月、李昌祺は長年の公務から退き、致仕しました。その後、1452年（景泰3年）3月25日、77歳でその生涯を閉じました。


李昌祺は、官僚としてだけでなく文人としても優れており、『容膝軒草』や『運甓漫稿』といった著書を残しています。これらの著作は、彼の学識と文才を示す貴重な資料となっています。

参考文献

『明史』巻161 列伝第49
河南左布政使李公墓碑銘（徐紘『明名臣琬琰録』巻24所収）

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