李虎林

李虎林（リ・ホリム、朝鮮語: 리호림）は、北朝鮮の政治家であり、同国の工作員としても活動した人物です。朝鮮労働党中央委員会では部長を務め、政治局委員候補にも名を連ねています。また、朝鮮赤十字会中央委員会書記長を歴任するなど、党と赤十字の両面で重要な役割を果たしました。

生年月日や出生地は公には明らかにされていません。しかし、その経歴から、北朝鮮の対外関係において重要な役割を担ってきたことが伺えます。

2001年には、朝鮮赤十字会中央委員会委員として、南北赤十字会談に参加し、離散家族問題などのデリケートな問題について韓国側と協議しました。翌2002年には、赤十字会書記長に昇進し、同年4月には日朝赤十字会談に出席。この会談では、日本が長年解決を求めている日本人拉致問題について、北朝鮮側代表として日本側と交渉を行いました。同年10月15日には、拉致被害者5人の一時帰国に際し、朴英男同胞事業部員とともに拉致被害者に同行しました。また、北朝鮮における日本人遺骨収集問題についても、日本側との協議に尽力しました。

2014年3月には、中国の瀋陽で開催された日本との赤十字会談に、朝鮮赤十字会事務総長として参加しました。この会談には、北朝鮮外務省の劉成日課長や日本外務省アジア大洋州局の小野北東アジア課長も同席し、両国間の外交問題における赤十字の役割の重要性を示しました。

2019年12月28日には、朝鮮労働党中央委員会第7期第5回総会において、党中央委員会政治局委員候補、党中央委員会委員に選出され、党中央委員会部長に任命されました。これにより、党の中枢における李虎林の地位がさらに強化されたことがわかります。

李虎林の活動は、北朝鮮の対外政策、特に人道問題や拉致問題における交渉において重要な役割を果たしました。赤十字という国際的な組織の枠組みを利用し、対外関係を構築してきた人物として、その動向は常に注目されてきました。

参考文献

青山健煕「外務省、拉致議連に提出した北朝鮮レポート(2) 朝鮮赤十字会」『北朝鮮 悪魔の正体』光文社、2002年12月。ISBN 4-334-97375-2。

関連項目

朝鮮赤十字会

参考サイト

* 북한정보포털

もう一度検索