李鍾郁

李鍾郁（イ・ジョンウク）は、1945年4月12日に大日本帝国時代の朝鮮、現在のソウル特別市で生まれました。彼は医学者として、また第6代世界保健機関（WHO）事務局長として国際的な舞台で活躍しました。カトリック教徒であり、国連傘下の国際機関を率いた初の韓国人としても知られています。

生い立ちとキャリア

ソウル大学医学部に在学中からハンセン病患者の治療奉仕に携わり、医療への献身的な姿勢を示しました。1983年にはWHOに入り、南太平洋ハンセン病対策チームの主任として活動を始めました。感染症の専門家として、ジュネーブの本部では結核対策部長などを歴任し、感染症対策に多大な貢献をしました。彼の専門知識とリーダーシップは、WHOにおける感染症対策の強化に不可欠なものでした。

感染症対策への貢献

李鍾郁は、感染症対策に尽力したことから、韓国国内で「ワクチンの皇帝」という異名を与えられました。また、世界的な流行が懸念された鳥インフルエンザ対策にも積極的に取り組み、その対策に尽力しました。彼の感染症対策への貢献は国際的に高く評価され、2004年には米国の『タイム』誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」である「タイム100」に選出されました。

急逝

2006年5月21日、李鍾郁は脳出血の手術を受けましたが、意識を回復することなく、翌22日にジュネーブ市内の病院で亡くなりました。当時、彼は現職のWHO事務局長であり、その突然の死は世界中に衝撃を与えました。享年61歳。過労が死因の一つとされています。彼の死は、国際保健分野における大きな損失となりました。

人物像

李鍾郁は、韓国語、英語、日本語を流暢に話し、中国語やフランス語で書かれた論文を読むことができました。国際的な環境で活躍する上で、この多言語能力は大きな強みとなりました。また、彼は日本人女性の鏑木玲子（かぶらき・れいこ）を配偶者に持ち、一人の息子をもうけました。国際的なキャリアと家族を両立させていた人物でもありました。

外部リンク

Statement regarding Dr Lee Jong-wook

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