李驤 (成漢)

李驤の生涯と功績

概要

李驤（りじょう、? - 328年）は、五胡十六国時代の成漢に現れた宗室の一員であり、巴氐族に属していました。彼は略陽郡臨渭県（現在の甘粛省秦安県周辺）に生まれ、父は東羌の猟将である李慕です。兄弟には李輔、李特、李庠、李流がおり、特に李特に従い武功を立て、成漢の建国に大きく貢献しました。彼の人生は武勇に満ち、数々の戦いで重要な役割を果たしました。

初期の活動

兄の李特が略陽や天水の人々を引き連れて益州に移住する際、李驤も彼に従いました。301年、益州の刺史である羅尚が蜀に到来した際、李特の指示で李驤は羅尚を歓迎し、珍品を貢ぎました。その結果、羅尚から騎督に任命されました。しかし、流民の処遇を巡る意見の対立から、李特は羅尚の配下から追われることになります。李驤は兄と共に立札を改変し、流民が李特に帰順するよう促しました。

軍事のキャリア

流民たちが帰順した後、李特は反乱を起こし、李驤もこれに参加し武将として頭角を現しました。彼は幾度も戦功を立て、302年には李特の命により羅尚に備え、軍を指揮して数々の勝利を収めました。敵軍の数に比べて圧倒的に少ない兵力にもかかわらず、李驤は巧みな戦略で敵を撃退しました。しかし、義兄弟の李流の陣営に撤退せざるを得ない場面もありました。

李特の死とその後

李特が戦死した後、李流が彼の後を継ぎましたが、流民への対策を巡って様々な危機に直面します。李驤はこの混乱を利用し、攻撃を仕掛け、敵軍を撃破しました。彼の機敏な行動により、成漢は勢力を拡大していきました。また、李流が病に倒れると、李雄が政権を引き継ぎ、李驤は太傅として仕官しました。

政治的な役割と喪服の問題

李雄が母の死に際して三年の喪に服そうとした際、李驤はその行いが政情に与える影響を危惧し、彼を諌めました。李雄が最終的に喪服を解いたのは、李驤の諫言と他の大臣の助言によるものでした。このように、李驤は単なる武将ではなく、政治的にも重要な役割を果たしていきました。

死後の影響と遺産

李驤は328年に亡くなりましたが、その死後も彼の子、李寿は大将軍に任じられ、最終的に皇帝に即位することとなります。李驤はその功績を認められ、相国を追贈され、漢献王と呼ばれました。彼の生涯は成漢の歴史において重要な一ページを刻み、戦国時代の複雑な事情を反映したものとなっています。

李驤の生涯を通じて、彼の戦略的思考や武勇、そして政治的手腕は評価され、彼の名は後世に語り継がれることとなるのです。

もう一度検索