李鶴年

李鶴年：清末の官僚、捻軍鎮圧に生涯を捧げた人物

李鶴年（り かくねん、Lǐ Hènián、1827年 - 1890年）は、清朝末期の官僚です。字は子和、盛京省義州の出身。

立身出世

1845年に進士に及第し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。編修、御史、給事中などの職を歴任し、着実に昇進していきます。その後、河南省の軍務に派遣され、その能力を発揮し、1862年には常鎮通海道、河南按察使代理という要職に就きました。さらに直隷布政使を経て、1865年には湖北巡撫に抜擢、後に河南巡撫へと移り、地方官としての地位を確立しました。

捻軍との戦い

当時の華北地方では、捻軍の活動が活発化していました。李鶴年もこの鎮圧に奔走することになります。実に10年もの間、山東省から河南省にかけて転戦し、捻軍との戦いに明け暮れました。李鶴年は、自ら軍隊を組織し、捻軍に対抗しました。その中でも特に有名なのが、宋慶率いる毅軍と張曜率いる嵩武軍です。それぞれの軍は1万人規模の兵力を有し、李鶴年の指揮下で捻軍討伐の主力として活躍しました。淮軍と協力して東捻軍を破り、捻軍の首領の一人である任柱を討ち取るなど、大きな戦果を挙げました。

1868年、西捻軍が北京周辺に迫ると、李鶴年は追討の指揮を執り、西捻軍の首領である張宗禹を溺死させ、捻軍を平定しました。この功績により、李鶴名は清朝における軍事的な功労者として名を馳せることとなりました。

地方官としての功績

捻軍平定後も、李鶴年は地方官としてその能力を発揮しました。1871年には閩浙総督に就任し、その後、福州将軍兼福建巡撫代理も兼任し、東南沿岸部の海防強化に尽力しました。1876年には河道総督兼河南巡撫代理となり、黄河の治水事業に尽力。黄河の氾濫は、古くから中国の人々を苦しめてきた大問題であり、その対策は国家にとって重要な課題でした。李鶴年は、長年の経験と知識を生かし、治水工事を指揮し、黄河の安定に貢献しました。1881年には再び河南巡撫となり、1887年からは河道総督代理も兼ねるなど、晩年まで黄河の治水に尽力しました。

李鶴年は、軍事面での活躍だけでなく、地方官としても優れた手腕を発揮し、清朝の安定に大きく貢献しました。その功績は、『清史稿』にも詳しく記述されています。

死後

1890年に亡くなりました。

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