村上学 (国文学者)

村上学（むらかみ まなぶ）は、1936年3月12日生まれの日本の国文学者です。愛知県宝飯郡のご出身で、名古屋大学文学部国文科を卒業、同大学院修士課程を修了されました。1984年には「曽我物語の基礎的研究 本文研究を中心として」で文学博士号を取得されています。

研究者としてのキャリアは、静岡女子短期大学、国文学研究資料館、豊橋技術科学大学で助教授、教授を歴任された後、1990年に名古屋工業大学教授に就任。その後、名古屋大学文学部教授となられました。1999年に名古屋大学を定年退官された後は、大谷大学教授を務められました。

村上学先生は、中世文学、特に語り物文学や宗教文学の研究で著名です。特に『曽我物語』の研究においては、本文研究を基盤とした基礎研究を確立し、その後の研究に大きな影響を与えました。また、軍記物語、幸若舞、古浄瑠璃といった語り物文学の表現構造についても詳細な研究を行い、その成果は『語り物文学の表現構造 軍記物語・幸若舞・古浄瑠璃を通じて』にまとめられています。

さらに、中世の宗教文学にも造詣が深く、『中世宗教文学の構造と表現 佛と神の文学』では、仏教と神道の文学的表現を分析し、中世の精神世界に光を当てました。これらの研究を通じて、中世の文学、宗教、文化への理解を深めることに大きく貢献されました。

主な著書には、博士論文をまとめた『曽我物語の基礎的研究 本文研究を中心として』や、『語り物文学の表現構造 軍記物語・幸若舞・古浄瑠璃を通じて』、『中世宗教文学の構造と表現 佛と神の文学』などがあります。また、『伝承文学資料集 曽我物語 彰考館蔵』や『赤木文庫本義経物語』などの共編著、校注も多数手がけられています。中でも、『義経記』（日本の文学 古典編）の校注・訳は、古典文学を現代に伝える重要な仕事として評価されています。

その他にも、『舞の本 毛利家本』や『神道大系 文学編 2』など、幅広い分野で研究成果を発表されており、日本の伝承文学研究に多大な貢献をされました。また、研究者育成にも力を注がれ、多くの後進を育てられました。

村上学先生のご研究は、中世文学研究において、欠かすことのできない重要な業績であり、現代の研究者にも大きな影響を与え続けています。

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