村井真由美

村井 真由美

滋賀県栗東市に生まれた村井 真由美（1965年2月21日生）は、日本の女子プロゴルファーです。綾羽株式会社に所属し、そのキャリアを築きました。

ゴルフの世界に入る前、村井は京都明徳高等学校（旧・明徳商業高等学校）時代にソフトボールに打ち込んでいました。全国高等学校総合体育大会ではチームの一員として3位入賞という輝かしい成績を収めています。

高校卒業後、18歳で綾羽株式会社に入社し、研修生としてゴルフの道を歩み始めます。厳しい訓練を積み重ね、1989年5月にプロテストに見事合格。日本女子プロゴルフ協会（JLPGA）の一員となりました。同年には「ａｎクイーンズ」で6位タイに入るなど、プロとしての一歩を踏み出しましたが、年間獲得賞金は約110万円で賞金ランキング104位と、まだ上位進出とはなりませんでした。

転機が訪れたのは1990年です。「大王製紙エリエール女子オープン」最終日、通算6アンダーという成績で、2位に2打差をつけて初めてのツアー優勝を飾りました。この勝利により、年間獲得賞金は約1,137万円に達し、賞金ランキング42位で自身初のシード権を獲得します。翌1991年は優勝こそありませんでしたが、「東洋水産レディス北海道」での4位タイを最高成績として年間約1,846万円を獲得し、賞金ランク33位で2年連続のシード権を確保しました。

1992年には「NEC軽井沢72」で再び勝利の味を知ります。通算4アンダーで2位に2打差をつけての優勝でした。この年は年間約4,031万円と獲得賞金が大幅に増加し、賞金ランキングでも7位にジャンプアップ。3年連続でシード権を獲得するなど、トッププロとしての地位を固めつつありました。

1993年は村井のキャリアの中でも特に輝かしい一年となりました。5月の「東都自動車レディース」を皮切りに、6月には「ダンロップレディスオープン」、7月には「東洋水産レディス北海道」と、驚異的な3ヶ月連続優勝を達成しました。しかし、公式戦である「日本女子オープン」では、レジェンド岡本綾子との激闘の末、プレーオフで惜しくも敗れ優勝はなりませんでした。それでも、この年の年間獲得賞金は約6,497万円、賞金ランキングも自己最高の3位という素晴らしい成績を残し、4年連続シード権を手に入れました。

その後も村井は安定した強さを見せ続けます。1994年には「ＣＨＩＹＯＤＡレディース」で2位となり、年間約3,431万円を獲得して賞金ランク18位で5年連続シード権。1995年は優勝こそなかったものの「再春館レディース」などで6位タイを記録し、年間約2,003万円で賞金ランク31位、6年連続シード権を死守しました。

1996年には「中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン」で3年ぶりとなるツアー優勝を果たします。通算5アンダーで2位に1打差をつける勝利でした。この年の年間獲得賞金は約4,785万円、賞金ランク6位で7年連続シード権を獲得し、再び賞金ランキング上位に食い込みました。1997年は優勝こそなかったものの、「JLPGA明治乳業カップ」を含む複数の大会で3位に入るなど安定した成績を残し、年間約3,122万円で賞金ランク15位、8年連続シード権。1998年には「廣済堂レディスゴルフカップ」で2年ぶりに優勝し、年間約3,184万円、賞金ランク14位で9年連続シード権を獲得しました。

そして迎えた1999年、霞ヶ関カンツリー倶楽部で開催された公式戦「日本女子オープン」で、村井のキャリアにおけるハイライトの一つが生まれます。初日から66という好スコアで単独首位に立ち、2日目も71、3日目も72と安定したプレーで首位の座を守りました。最終日、17番ホールを終えた時点で後続に3打差をつけ、優勝は目前と思われました。しかし、最終18番ホール、グリーン左からのアプローチショットを打つ直前、ギャラリーの動きに気を取られ、痛恨のミスショット。ボールはカップの右下へと転がってしまいました。続くパーパットも強く打ちすぎて1メートル以上オーバー。ボギーパットも外してしまい、優勝の行方は一転、緊張感が走ります。しかし、最後に残ったダブルボギーパットを落ち着いて沈め、かろうじて公式戦初優勝を手にしました。この劇的な勝利に、村井は思わず涙を流しました。この年、年間約2,802万円を獲得し、年間ランキング19位で、前人未踏となる10年連続シード権を獲得しました。

2000年以降、村井は残念ながら再びツアー優勝を飾ることはありませんでした。しかし、彼女は長年にわたる安定した成績と、特に公式戦での勝利という偉大な記録を残しました。選手キャリアを終えた後も、日本女子プロゴルフ協会のレジェンズツアーに参加するなど、ゴルフへの情熱を持ち続けています。ソフトボールで培った運動能力と、プロとして磨き上げた技術、そして日本女子オープンで見せた勝負強さで、村井真由美は日本の女子ゴルフ史にその名を刻んでいます。

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