村井親長

村井親長は、承応元年（1652年）に加賀藩年寄である村井長朝の子として生まれました。幼名は藤十郎、通称を出雲といい、官位は従五位下・豊後守でした。本姓は平氏で、家紋は「丸ノ内上羽蝶」を用いていました。

4歳で父が亡くなったため、幼くして家督を相続することになりました。寛文11年（1671年）には、父の遺領を全て相続することを許され、知行1万6500石を領する身となりました。

貞享4年（1687年）には、東山天皇の即位式に際して祝賀使を務めました。元禄2年（1689年）には人持組頭に任じられ、藩主前田綱紀に重用されるようになります。綱紀は、それまで七手頭であった本多家、長家、前田土佐守家、前田対馬守家、奥村宗家、奥村分家に加え、村井家を八家の一つとして加えました。これにより、村井家は年寄を輩出する藩内最高の家格と定められました。この八家は、加賀八家と呼ばれ、藩政の中枢を担う重要な存在となりました。

元禄14年（1701年）には、金沢城代に任命されました。宝永5年（1708年）には、従五位下・豊後守に叙任され、その功績が認められました。

宝永8年（1711年）に60歳で亡くなりました。家督は養子の村井長堅が相続しました。

村井親長は、加賀藩において重要な役割を果たし、藩政に大きく貢献した人物でした。彼の功績は、後世にも語り継がれています。

参考文献
東京大学史料編纂所「加賀藩史料」
「藩国官職通考」

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