村岡到

村岡到：社会運動から出版活動まで多岐にわたる活動家の一生

村岡到（1943年生まれ）氏は、日本の社会評論家、社会運動家、編集者として知られています。新潟県出身で、高校卒業後に上京。その後、革命的共産主義者同盟全国委員会（中核派）に参加するなど、精力的に政治活動を行いました。中核派脱退後は、日本革命的共産主義者同盟（第四インターナショナル日本支部）に所属。1980年には独自の政治グループ「稲妻」を結成し主宰するなど、常に時代の先端をいく活動を行ってきました。

村岡氏の活動は、特定の政治組織にとらわれない多様性で特徴づけられます。1996年に「稲妻」を解散して以降は、個人として活動しながらも、近年は日本共産党への支持を表明するなど、独自の政治スタンスを貫いています。国鉄分割民営化時の旧動労の活動、特に松崎明氏の対応を高く評価するなど、その思想には一貫した理念が見て取れます。

政治活動に加え、村岡氏は出版活動にも深く関わってきました。1990年には左翼系知識人らが集うフォーラム90sに参加。同フォーラム解散後にはオルタフォーラムQを設立するなど、知識人や活動家たちの交流にも貢献しました。また、1995年には出版社「ロゴス社」を設立し、社長として雑誌『カオスとロゴス』を発行。その後、隔月刊誌『もうひとつの世界へ』の編集長を経て、2009年から『プランB』の発行（2014年休刊）にも携わりました。

村岡氏の多様な活動は、出版物にも反映されています。数多くの著書を執筆しており、『スターリン主義批判の現段階』『日本共産党との対話』といった政治思想に関する著作から、『社会主義とは何か』『社会主義へのオルタナティブ』といった社会主義理論に関する著作、『ベーシックインカムの可能性』といった現代社会問題に関する著作まで、そのテーマは多岐に渡ります。共著や編集、解説にも携わっており、その活動は単なる執筆にとどまらず、社会運動や政治思想の啓蒙にまで広がっています。

2011年には、特定非営利活動法人日本針路研究所を発足させ、理事長に就任。社会主義理論学会委員も務めるなど、多様な活動を通して、日本の社会に貢献し続けています。

村岡氏の活動は、単なる社会運動家の枠組みを超えた、知的で多角的な活動です。政治活動、出版活動、そしてNPO活動と、常に社会との接点を持ち続け、自身の思想を伝え、社会に問いかけ続けています。その生涯は、激動の時代を生き抜き、多様な活動を通して独自の思想を貫いた稀有な人物像を示しています。彼の活動は、現代社会における政治や社会主義、そして人々の生き方について、考えるきっかけを与えてくれるでしょう。

主な著書

『スターリン主義批判の現段階』（稲妻社）
『日本共産党との対話』（稲妻社）
『社会主義とは何か』（稲妻社）
『社会主義へのオルタナティブ』（ロゴス社）
『ベーシックインカムの可能性』（ロゴス社）
『創共協定とは何だったのか』（社会評論社）

主な活動

革命的共産主義者同盟全国委員会（中核派）参加
政治グループ「稲妻」結成・主宰
出版社「ロゴス社」設立
雑誌『カオスとロゴス』『もうひとつの世界へ』『プランB』編集
特定非営利活動法人日本針路研究所理事長
社会主義理論学会委員

村岡氏の活動は、現代社会に様々な示唆を与えてくれる貴重なものです。彼の思想や活動を通して、現代社会の問題点や将来像について深く考える契機となるでしょう。

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